INTERVIEWEE No.673
アントファクトリー株式会社(あんとふぁくとりー かぶしきがいしゃ)
代表取締役 今川 和亮 さん(37)
証券マンからFPへ
お金について総合的に、なおかつ、金融機関などに属さないフラットな立場で助言する。それが独立系のファイナンシャルプランナー(=FP)の仕事です。FPの資格を活かして私は、主に20~40代の子育て世代の住宅購入や資産形成に携わっており、無理のない資金計画の立て方、安心できる建設業者の選び方、住宅ローンや各種保険の選び方など、「入口から出口まで」をモットーに、多角的に長期的にサポートしています。最近では、少額投資非課税制度NISAや個人型確定拠出年金iDeCoなどを活用した資産運用や、生命保険の見直しなどの相談も多く、また、高校や大学などで講師を務める機会も増えました。
自営業だった祖父の影響で、起業したくて大学で経営学を専攻、卒業後はお金の流れを学びながら目指す道を探るため、証券会社に就職しました。が、母が体調を崩し、転勤ありの生活を5年半で終わらせ帰郷。短い間でしたが、身に付けた投資関連の知識や経済、マーケットを分析しアドバイスする力は今の私の強みになっています。
証券マン時代は、FPは単なる資格と思っていましたが、帰郷後、参加した異業種交流会でそれを生業にしている人と出会い、自分の道が定まりました。そして、2011年秋頃からFPとして動き始め、2017年に今の会社を設立。金融業に建設業、弁護士や税理士など、様々な業種との連携が必須の職業なので、1匹では小さくても仲間と協力して大きな仕事を成し遂げる「アリ」をイメージし、社名をアントファクトリーとしました。
相談料以上の価値を
弊社では相談料をいただいてお話を伺っています。お客様からは「他では聞けない話ばかり」とよく言っていただけますが、「初回で衝撃を受け、2度目でなるほど!と思い、3度目で腑に落ちた」と具体的に喜んでいただいたときは非常に嬉しかったですね。
私は、FPが提供できるものは「金銭的価値」だけではないと思っています。お客様が個人で細かく調べる時間を省くことで「時間的価値」も提供でき、アドバイスすることで悩み事が解決すれば、ストレスが軽減され「精神的価値」も生みだせると思うのです。
投資の相談に乗るときに目的を明確に引き出すスタイルも、多くの方から支持をいただいております。目的を伺うと、ほとんどの方が教育・住宅・老後の3大資金をあげられ、今から20〜30年後に備えた選択をされます。けれど、まとまったお金が必要な状況は、それより早く訪れることもあるのです。例えば愛車が壊れたとき、「運用中のお金は使えないから」と、運用利回りより高い金利のローンを組むという残念なこともしばしば起こります。そうした事態を避けるために、お客様の資産状況や目的に合わせてアドバイスしています。
次の10年に向けて
独立して9年間、私は自己投資に可能な限りお金を費やしてきました。投資して良かったものもあれば、しなくても良かったと思うものもあります。しかし、こうした物事の良し悪しは、経験して初めて分かるもの。決して安いとは言えない勉強代を払い、時間を費やしてきたからこそ、お客様にとって真に役立つ情報をお届けできる自分になれたと思います。
思い返せば、しんどいときも家族や仲間の支えがあったから、起業という目標を達成できました。また2017年には、知人からの紹介で、ハワイにも拠点を構えることができました。今は日本からの移住や現地の不動産購入などの相談に応じながら、留学や海外挙式のサポートもしています。
次なる10年ではFPの価値を高める活動をしていきたいです。そして、「お金に関することは何でもFPに相談」という考え方がスタンダードな時代を築いていきたいです。
■ SHOP DATA
アントファクトリー株式会社(あんとふぁくとりーかぶしきがいしゃ)
広島県福山市沖野上町5-10-11
TEL:084-961-3677