【異業種リレーの「わ」No.695】「小動物なら「りっか」と思ってもらえる存在に」

INTERVIEWEE No.695
りっか動物病院(りっかどうぶつびょういん)
院長 大山 拓 さん(40)

小動物専門医へ

犬猫に限らず小動物の診察・治療もしっかりできる動物病院として、2015年3月に開院しました。りっかは漢字で「立花」と書き、雪の結晶を意味します。生まれ育った東京を離れ、学生時代を含めて8年間を過ごした、第二の故郷である東北を感じられる名前にしました。福山で独立した理由は、妻の実家に近かったからです。  獣医は子どもの頃の憧れの職業ではありましたが、最初から目指したわけではなく、土木工学の大学院課程で自分の人生を真剣に考えて方向転換し、青森・北里大学の獣医学部に学士入学しました。当時ウサギを飼っていた影響で、まだ未発達だった小動物医学に興味を持ち、専攻しました。卒業後は仙台市の小動物を専門とする動物病院で実務経験を積みました。  当院で診察できるのは、犬、猫、ウサギ、フェレット、ハムスター、小鳥、シマリス、ハリネズミ、フクロモモンガなどで、霊長類、猛禽類は診ません。小動物を診察できる病院が全国的にも少ない理由は、体が小さくて治療が難しいからというのもありますが、受診数の少なさが大きいと思います。フェレット以外にはワクチンがなく、避妊・去勢手術は最近ようやくウサギが増えた程度。極論を言えば、病気をしない限り余り収入にはならないジャンルなのです。  需要は年々高まっており、特に今年はステイホームの影響でハムスターやフェレットを飼い始めた人が増えたようです。犬猫より飼育が手軽に感じられるかもしれませんが、小動物は育て方が寿命に直結しやすいので、ホームページに掲載している注意事項を参考にしてもらえたら嬉しいです。

保護には責任が伴う

北里大学では動物愛護サークル「犬部」に所属し、捨て犬・捨て猫をはじめ、飼育放棄や虐待などの被害にあった犬猫の保護・里親探しをしてきました。現在は地域猫の去勢・避妊手術の協力を含め、行政や地元動物愛護団体と連携し、「殺処分ゼロ」を目指した活動をしています。院内には、里親を探している猫を一時的に預かるガラス張りの部屋を設けています。学生時代から考えていたもので、開院以来100匹近くが引き取られました。割合は少ないですが、子犬も含まれます。  よくあるのが「野良猫を拾ったけど飼えない」と持ち込まれるケースです。その場合はヒアリングをして、本当にその人が飼えないかどうかを見極めます。基本的には拾った人が飼うか、代わりに飼える人を探すかしていただきたいです。なぜならば、生命に関わった以上は必ず責任が伴うからです。鳴き声を聞いたら放っておけない気持ちもわかりますが、世話することができない人が拾うことで、世話をできる人に出会えるチャンスを奪ってしまう、という考え方もあることを知っておいてほしいです。

行動治療も獣医の役目

しつけの相談は、主に犬に関するものが多いです。鳴きグセや甘噛み、排泄の失敗などに悩む方には、「なぜそうするのか」という視点に立ってもらい、動物の習性や種類に応じた改善策を動物行動学の観点から伝えます。しつけができていると災害時にも助かります。東日本大震災発生時、仙台の内陸部で被災した私は、避難所でのペットの排泄物や鳴き声などによるトラブルをよく見聞きしました。その経験も踏まえ、動物の行動治療にもっと力を入れたいです。また、ペットが難しい病気になったとき、飼い主さんが本当にしてあげたいことは何か、言葉にできない想いを汲み取る力も高めたいです。  小動物に関しては、今はまだ病気を予防する概念はほとんどありませんが、恐らくこれから変わっていくでしょう。小さな生命を予防と治療でしっかり守れるように、これまで以上に専門性を追求し、「小動物ならりっかへ」と多くの方に思ってもらえる病院になりたいと思います。

■ SHOP DATA
りっか動物病院(りっかどうぶつびょういん)
広島県福山市西町3-17-17
TEL:084-982-6561

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