INTERVIEWEE
株式会社 森山仏商(かぶしきかいしゃ もりやまぶっしょう)
常務取締役 森山 信弘 さん(38)
葬儀のプロが提案するペット葬
「葬祭ホール天遊」や「アークハウス」など市内に4つの葬祭ホールを運営する、セレモニーのプロ・森山仏商が、ペット葬業界に参入。7月7日、奈良津町に「あいみんペットメモリアル福山」を開設した。ペットが亡くなると専用車で迎えに行き、自宅またはセレモニールームでのお別れをした後、神辺町の自社敷地内で火葬し、返骨・納骨する。対象は、犬猫だけでなく、鳥や金魚まで、ペットショップで取り扱う動物全てになる。
この事業を発案し、中心になって進めてきたのが常務の森山さん。「家族の一員として過ごしてきたペットを見送るとき、葬儀屋だからこそできるお手伝いがあるのではないか。ペットの葬儀業界をよくしたいと、10年近く前から構想を温めてきました」。周囲の人の、ペットとの絆も感じてきたから、と語る。「利益は最低限。1件でも多くのお見送りのお手伝いが目標です」。近い将来、納骨堂も設置していこうと考えている。
今を大切に生きるための仕事
厚生労働省認定 葬祭ディレクター1級として活躍する森山さんは、葬儀屋の2代目。「幼少期は、人が死んで儲かる仕事だと言われたのがショックで、絶対継ぎたくないと思っていました。しかし、家業に関わることを学ぼうと神奈川県にある冠婚葬祭の専門学校に進み、この仕事の尊さを実感しました」。呉市内の葬祭会館に3年学び、戻ってきた。「生まれてきたら必ず死がある。死は不幸ではなく、幸せを積み重ねた結果。葬儀は今を大切に生きようと実感させてくれるものだと、誇りをもって働いています」。
弟の裕紀さんもアークハウス福山の支配人として力を合わせており、今年高校を卒業した長男にも5歳の長女にも仕事と命の大切さを折に触れて話しているという。「家族が理解してくれていることも励みに、頑張っています」。週1回の休みは、そんな家族との時間を大切に過ごしている。
人生の最後の舞台を晴れやかに
コロナ禍の現在、家族葬が9割以上を占めており、今後も家族葬のニーズは高いと予想する。「故人様とご家族様がゆっくりと向き合えるスタイルが今後も受け入れられていくと思います。また、葬儀は人目につかない、暗いイメージが多いかと思いますが、当社では明るく綺麗で気持ち良く、ここで大切な人を見送りたい、自分が見送られたいという場所を心がけ、ご提案しています」。
次は神石高原町内。町役場、町立病院のすぐそばに支店の準備が進む。「多くの人にとってわかりやすく、葬儀の相談やお線香ひとつ買うにも来やすい場所がいいと思うのです」。2年に一度のペースで新たな展開を見せる森山仏商。その中心となる森山さんの、市域を超えた、葬儀の固定観念を変える動きにも注目したい。
INTERVIEWEE DATA
株式会社 森山仏商(かぶしきかいしゃ もりやまぶっしょう)
広島県福山市神辺町平野368
TEL:0120-119420