INTERVIEWEE
沖電機株式会社
代表取締役社長 沖 和真 さん(38)
昭和38年から地域に密着、5代目
1963年(昭和38年)創業。家電の販売・修理、オール電化、リフォーム、太陽光発電の他、公共工事や企業空調まで、電機や暮らしのことで福山の街に寄り添ってきた沖電機。福山駅の北東に、屋上に看板を掲げた5階建ての自社ビルがあり、1階が店舗、事務所。2階と3階は会議室やテナント、4階と5階は住居等のプライベート空間だそう。社長の沖さんは「私はここの上で生まれ育ちました」。1階の店舗でにこやかに語りながら視線を上げた。
2018年に社長に就任した沖さんは、曽祖父から数えて5代目。5人きょうだいの長男で「いずれは…」と思いながら育ち、大阪で他業種の営業職に就いて〝修行〟。その後、日立の研修に3ヶ月間寮生活で入り、ベースとなる知識や電気工事士の資格を取得すると、納品も工事もする沖電機の営業社員として、ユニホーム姿でスタートを切った。「父が亡くなった際は母が後を受け、私も含めて細かな経営ノウハウを学びきったとは言えないところがあり、苦労しました。ただベースは地域密着。これは創業から変わらない想いです」。
地域家電店の強みをお客様のために
家電の購入先といえば、家電量販店、ネット販売か地域家電店など。「購入先は違いますが、物は一緒です。地域家電店の良さは、人が見えることでしょうか。設置などでプライベートな空間に立ち入る場合が多いので、誰が来てくれるかわかる、この安心感が付加価値です。小回りや融通もききますよ」。また、2か月に1回程度、家電、リフォームの展示相談会を開催。「ぜひ遊びに来てください。何かしら気を引く話題性があるはずです」と勧める。
社内での年齢はちょうど中間あたり。「自分の子どもの頃を知っている社員もいますので、先輩たちへの気づきは、その場はメモしておいて伝え方を工夫するようにして、自作の経営指針を活用しながら朝礼で話すなどしています」。
沖電機の今後と活動、オフの時間
ニーズを感じるのは照明。蛍光灯が再来年に製造禁止になるため、LEDへの買替えが増えたという。他に補助金対象のエコキュートや内窓、電気代を抑えられるエアコンや冷蔵庫への見直し需要もあり、力を入れているそうだ。「家電は、新機能、新商品が次々に発表されますから私たちも日々勉強です。〝入口は家電〟そこから〝暮らしに関わるもの〟全般へ。問題解決や快適な暮らしづくりを担いたいと考えています」。
中小企業家同友会、青年会議所、商工会議所青年部にも所属し、人の輪と活動の場を広げる。「丸1日の休みはなかなか取れず、趣味は?と聞かれると仕事と応えるような生活をしてきましたが、子どもたちの成長を見るのが、実は今一番の楽しみです」。家電、家のリフォーム、家族…沖さんの視線はオンもオフも「家」に向けられているようだ。
INTERVIEWEE DATA
沖電機株式会社
福山市城見町1丁目3-34 1階
TEL:084-922-4495