INTERVIEW No.842
ぶらっくラー麵しょうや本店
オーナー 麥田 亜己仁 さん(33)
とび職からラーメン屋に
19歳から足場屋で働きました。10年間学びながら経験を積んで、現場仕事の魅力、面白さを感じていました。
その頃、ラーメン屋を営んでいた兄が、一緒にやらないかと声をかけてくれました。幼少期には喧嘩もしましたが、気心が知れて仲が良く、頼もしい存在です。今まで全く経験のしたことのない飲食の仕事に新たな魅力を感じ、ラーメン屋に転職しました。
2019年から加わり、2020年にオープンした神辺では1年間店長を経験。昨年オープンした尾道にも、スポット応援に入り、3店舗を巡らせてもらいました。
そして今年3月、のれん分け、という形式で独立。味も看板も引き継ぎ、経営はそれぞれです。ラーメン屋として稼げる仕組みづくりをして、人を2人、3人と育てて増やして任せながら、この味を広げていこうという考えです。
味自慢、雰囲気自慢
当店の一番人気は「背脂ぶらっくらーめん」。初めてスープを見た方は、その色の濃さに、辛い?と思われることが多いようですが、実際は旨味のあるあっさり味です。京都産熟成醤油をベースに、セントラルキッチンで創業以来継ぎ足し続けており、深い味わいが特徴。自家製中太麺、九条ネギともよく合います。
私の店の特徴としては、夜はおつまみや食事のメニューが増え、飲みも〆もいけることでしょうか。ポテサラや鶏のたたき、麻婆豆腐など居酒屋メニューも人気です。
また、昭和レトロな雰囲気で、カウンターが6席、テーブル2卓。どこからでもカウンター内の私と会話ができる小さな店ですが、家より落ち着くと言われる常連さんもおられます。待ち時間があれば、外でビアガーデン風に飲み始めてもらうこともでき、喜ばれています。
この店に、わざわざ足を運んでいただいた感謝を込めて、外までお見送りさせてください。これは兄譲りです。
人を育て、味を広げる
今後は、私自身も店を増やし、味のグループ展開を担いたいと考えています。店舗兼住居の2店舗目の設計を既に始めました。これには個人的な理由もあって…。私には5ヶ月から11歳まで子どもが7人います。1人ずつと触れ合う時間は多くないかもしれませんが、父親の気配を近くに感じて欲しいと思ったからです。名物の黒いヤキメシが大好きな子どもたちが、ラーメン屋っていいなと思ってくれる状況にしていきたいですね。自分の歩ける限り、いくつになってもこの仕事を続けていく覚悟です。
まずは、一緒に盛り上げてくれる正社員が欲しいです。2店舗目を作ることが目標です。今後、人を育てる、というのが仕事でも家庭でも私の中心にあり、課題になると考えています。
■ PROFILE
■1990年生まれ。福山市出身。足場屋に10年勤めた後、兄の興した店に合流。店長を経験して2024年3月、のれん分けにより独立。「ぶらっくラー麵しょうや」の味を発信中
■ SHOP DATA
ぶらっくラー麵しょうや本店
広島県福山市駅家町近田375-7
TEL:080-8240-0279
Instagram:@black_ekiya