INTERVIEW No.829
有限会社 村上鉄工(むらかみてっこう)
取締役 村上 直史 さん (34)
船舶艤装品を専門に
村上鉄工は、造船業が盛んな尾道市向島町で祖父が個人事業主としてスタートし、父が1990年に法人化しました。2001年に神村町に移転、現在に至ります。私は、造船会社勤務を経て21歳のときに村上鉄工へ入社。今年12月に代表就任を予定しています。
「船舶艤装品」をご存じですか? 船舶本体に取付ける金属や商品を指し、当社は鉄製の艤装品を専門としています。鉄を曲げる技術を駆使した螺旋階段は、最も得意とするところで、バラ積み船、コンテナ船といった大型貨物船では、長さ12mにもなることがあり、エンジンのマフラーは直径2~3mでも対応できます。甲板や隔壁に付けるマンホール、手すりやハッチなど居住区に関わる鉄製品にも力を注いでいるので、空気と人が通るところを1枚の鉄板から造る仕事、と説明して良いかもしれません。「鉄は曲げる。プライドは曲げない」という熱い想いと誇りを持って、お客様の理想を形にし、送り出しています。
気負いすぎず、一丸となる
私は小学生の頃から、この会社で働こうと決めていました。当時は向島の自宅の近くに会社があり、3時の休憩には祖母や母がコーヒーを出すのについていき手伝っていました。後継は自分しかいないと思って育ちました。
村上鉄工で働き始めた当初は意気込みすぎて、ガムシャラでした。でもケガをしてようやく、自分だけ頑張っても限界があるという当たり前のことに気付いたんです。ノウハウやマニュアルを標準化し、無理なく社員一丸でと心がけるようになりました。現在社員数は約20人。技能実習生の力も借りながら、お客様に喜ばれる質とスピードを目指しています。
また、艤装は大物が多く、依頼から納品まで数ヶ月かかることもあるのですが、最近では、そろそろ注文があるのではという予測、先読みができるようになり、準備できていることが増えました。自社のペースを崩さず効率よく取り掛かり、「さすがだね」「いつも本当にありがとう」とお客様にも喜ばれる循環が軌道に乗ってきたようです。
〝人財〟が輝く会社に
今後技術面では、様々な依頼に応えながら最高のグレードを提供できるよう、機械導入が容易な新工場建設を視野に入れています。社屋も工場も新しくはないですからね。スタッフ面で言うと、技術者は今、かなり希少でその分ニーズも高いです。日本人も外国人も、双方の得意な部分を生かして輝けるよう、〝人財〟が育つ職場にしていきます。
「ありがとう!」が次々に生まれ、「さすが!」が飛び交う気持ちの良い雰囲気で、給料面、休日面をもっと良くしながら豊かな人生を送ることができる会社にしたい。そんな展望で経営理念を描いているところです。共感してくれる人がいたら、いつでもウェルカムです。
■ PROFILE
1989年生まれ。尾道市向島町出身。船舶艤装を専門に、1枚の鉄板から曲線を生み出す加工を得意とする村上鉄工の後継者。21歳で入社し、今年12月に代表就任予定。
■ SHOP DATA
有限会社 村上鉄工(むらかみてっこう)
福山市神村町1080-1
TEL:084-930-4580
https://murakamitekkou.jimdosite.com
「村上鉄工 福山」で検索