No.893【吉井笑店・SAMAN PICHCHA/吉井 知世】吉井笑店・SAMAN PICHCHA

INTERVIEW No.893
吉井笑店・SAMAN PICHCHA(サマン ピッチャ)
代表 吉井 知世 さん(38)

地元産を食べるということ

「四里四方に病なし」という言葉があります。自分の住んでいる場所から四里(約16㎞)圏内で採れたものを食べていれば、病気にかからず健康でいられる―そんな意味の、昔から伝わる知恵です。近場の食材は新鮮で、輸送コストも低く、そこで暮らす人の身体に自然と馴染む。地産地消をすすめる具体的な言葉だとも思っています。

ちなみに私が毎週月曜日に店を出しているレンタルスペース「kokomo津之郷」を起点に四里四方を描くと、北は駅家町服部、南は内海町、西は尾道市原田町、東は引野町あたりまでになります。

2023年6月に開いたスリランカ料理の店「サマンピッチャ」、翌年、料理に使っている食材が欲しいとの声から始めた八百屋「吉井笑店」も同じ四里四方のコンセプト。私が農家さんなどから直接仕入れて、販売や調理をしています。

印刷業を経て新たな業界へ

食に関わってまだ10年弱です。大学卒業後は都内の印刷会社へ就職し、ニューヨークでの生活も経験しました。30歳で広島に戻って、それまでとは全く違うホテル経営の会社に就職しました。レストランマネジャーとして、地元生産者の方々とつながりができました。また、愛媛県松山市にカレー店を出すにあたって、社長兼店舗長を任され、そこでスリランカカレーとも出会いました。

福山と松山を行き来しながら子育てとの両立は、正直かなり厳しかったです。それでも、2023年に独立するまで必死に働いた経験が、自分の土台になっています。

今のかたちと今後の展開

信頼する契約農家さんから直接仕入れるので鮮度がよく、田尻南京や下志和地青ナスなど地域で受け継がれた野菜も積極的に紹介しています。それらは基本的に量り売り。みかんや椎茸も1個から買え、種類に関係なく値段は重さで決めます。必要なだけ買う、使い切る喜びを感じてほしい。フードロスをなくしたい。そんな思いもあります。「離乳食の最初の野菜を吉井さんのところで買うと決めました」。こう言われたのが本当に嬉しかったですね。

12月〜3月は、手作りのおでんを出します。じゃがいもや人参がゴロゴロ入って、椎茸の肉詰めなども人気。持ち帰りの際はぜひお鍋を持って買いに来てください。4月〜11月はスリランカカレーに戻ります。油を控えた野菜中心のライス&カレー。辛いものと辛くないものを混ぜながら味の変化を楽しんで欲しいです。

今は週に1回の営業で、いずれは毎日できるよう固定店舗を持つことが目標です。また、四里四方は限られたエリアですが、友人や知人それぞれに四里四方の考えが伝播し、こうした店が増えれば大きなムーブメントになるはず! 仲間を増やしていきます。

■ PROFILE
1987年尾道市原田町出身。関東の大学を卒業後、共同印刷へ就職し、渡米。広島に戻りホテル経営のサン・クレアへ就職。2023年サマンピッチャを、24年吉井笑店をオープン。

■ SHOP DATA
吉井笑店・SAMAN PICHCHA(サマン ピッチャ)
Instagram:@tomoyon105 @saman_pichcha105

関連記事

Instagram更新中
Instagram更新中