【異業種リレーの「わ」No.774 】刺繍の枠を超えた新商品に挑戦

INTERVIEW No.774
有限会社 アルファ企画
代表取締役 廣中 登志治 さん(66)

刺繍業界に入るまで

 大学在学中に父が倒れたこともあって、卒業後すぐ、実家の衣料品店を継ぎました。私が30歳と31歳の時、母と父が相次いで亡くなりました。それを期に衣料品店は弟に任せ、食料品や雑貨を中心としたディスカウントショップを開きました。お店は順調という訳にはいかず、5年目に廃業しました。その後、刺繍業をしていた親戚を頼って始めた刺繍工場が今の会社になります。

「ユーロステッチ2000」において、最優秀賞を受賞

会社を始めた当初は誰も何も教えてくれず、ほとんど一人で試行錯誤の毎日でした。ある程度、刺繍製作が形になった頃、出来ることをまとめて本を作ろうと思いました。出来た本を展示会に出展したところ、たまたま来日していたドイツグーノルド社の社長の目にとまり、「ドイツに来ないか」との話をいただきました。当時のグーノルド社は刺繍ソフトで世界ナンバーワンの技術を誇る企業だったので、とても興味はありましたが、事業を始めて間もなく、借金もあった私は、最初はその話をお断りしました。それでも、チケット代も滞在費もすべて持つからと熱心に誘っていただき、思い切ってドイツに行くことにしました。ドイツではグーノルド社の代理店にならないかという話をされました。せっかくのご提案でしたが、自分の会社だけで手一杯ですとお断りしたにも関わらず、帰国時に「自由に使ってください」と当時1台で1200万円はする最新ソフトを2台いただきました。ソフトのおかげで、出来る刺繍デザインが飛躍的に増え、より早く、正確な作業ができるようになりました。その後、導入したレーザー加工機により、布刺繍以外にも、木や紙の加工などもできるようになりました。デザインの面でも評価も徐々にいただくようになり、2000年にはユーロステッチが主催する刺繍の世界大会で最優秀賞を受賞しました。

オリジナル商品も製作

近年はオリジナル商品も多く製作しています。神辺町商工会で知り合った「田中細巾」さん、「中村金襴」さん、「コルドバ」さん「藤井リボン」さんと協力して刺繍の枠を超えた新商品も開発しました。今年9月には、当社で作ったブックカバーは総務省広報誌の表紙写真になりました。また、「福山城」や「阿伏兎観音」、新市の「天王さん」など、地元を題材にした商品も認知されてきています。商品は会社のホームページや天満屋のFUKUYAMA MONO SHOPなどで購入できます。

それから当社では、刺繍を身近に感じてもらうためのワークショップも随時行っています。10月16日に、じばさんセンターで行われるものづくりフェアには「刺繍ぬりえキーホルダー」で参加しています。

刺繍の可能性は無限にあります。今までの刺繍の枠にとらわれない、画期的な商品をこれからもどんどん開発していきたいと思います。

■ PROFILE
1955年生。福山市出身。関西学院大学卒業。1989年「アルファ企画」を設立。刺繍、レーザー抜染、レーザーカット、ラインストーン、プリントなど、アパレルの二次加工の他、オリジナル商品も多数製作。HP:「アルファ企画」で検索。

■ SHOP DATA
有限会社 アルファ企画
福山市神辺町道上2635
TEL:084-963-3150

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