当院で非常によく使っているカリエールですが、カリエールの使用目的は、上顎臼歯部を遠心に移動することで、非抜歯矯正の適応を広げ臼歯関係をクラスⅡからクラスⅠに是正し、緊密な咬合関係を構築する事です。
さらにカリエールは、上顎前歯の噛み込みが深く、下顎前歯が見えていない過蓋咬合にも有益な効果をもたらします。
カリエールに出会うまでは、矯正専門医の私ですら過蓋咬合を治すことは非常に困難でした。
しかし、2019年に大学時代の友人から、「カリエールという優れた装置がある。」と教えてもらい、患者様に使用したところ衝撃的な治療効果がみられました。治せないと諦めていた遠心移動や過蓋咬合が数ヶ月でいとも簡単に治っていくのです。(1日22時間以上、ゴム掛けを頑張るという患者様の協力が必要になります。)
これでどんな難治性の不正咬合でも治していけると確信し、私の矯正臨床はカリエールを中心とした診療スタイルに一変しました。
今回は、「カリエールを用いた Ⅱ級2類の過蓋咬合における矯正治療」の第三弾となりますが、素晴らしい治療結果が得られたのでご紹介いたします。