パーソナルトレーニングで療育にも対応
《少人数制をいかして療育でも頼られる存在》
少人数制、個別指導が受けられる特別な書道教室を訪問しました。
背筋が伸びて気持ちも整います。
最大6人の少人数制で、子どもたちを伸ばしてくれると評判になっているのが、ここ「夢を育む書道教室」の渡辺先生です。
特にコロナ禍のこの1年は密を避けて、前以上にゆったり。
休校だった頃は直接通わずに、画像を送信して添削してもらったり、課題を車の中から先生に手渡して、すぐ添削してもらったりというドライブスルー形式など、安全な指導法がとられてきました。
1対1で極めたい人、周りを気にせず通いたい人や、学習発達支援員として療育の分野でも頼りにされているようです。
というのも渡辺先生は、幼稚園教諭の資格、経験があり、書道以外のメニューも取り入れた、幼少期からのオリジナルのパーソナルトレーニングをしてくれるから。
絵を描いたり、工作をしたり、絵本を読んだり…。
そんななかで「キラッとするものを見つけるヒントになれば」と。
また、学校に行きづらいお子さんの個別対応も、相談にのってもらえます。
《保護者の声》
実際に利用されている保護者の方の声を聞かせていただきました。
市外から通ってくる小学2年生のおかあさんのお話です。
発達障害の診断は、年長の夏。就学前検査でした。
支援学級に進むと決めて療育を並行して行うことにしましたが、これだけでいいだろうか?と不安でした。
発達障害の子を伸ばしてくれるような、できることがあるなら、なんでもやろう、そんな気持ちでした。
水泳も体操もやってみたんです。
親は少しずつ伸びていることを実感できますが、他のお子さんと一緒にやるので、本人にも差がわかり、本人がくじけてしまいました。
そんなとき、出会ったのがこの書道教室です。
決まりもない、ノルマもない、他の子と比べられることもない!
ここは、ほめられることはたくさんあっても、くじけることが全然ないんです。
週に一度のこの時間を、本人がとても楽しみにしています。
もともと自分を表現することが得意ではなかったのですが、先生の前では「次はこれがやりたい」と自分の言葉で伝え、楽しい時間にしてもらっています。
家族以外と、こんなにしゃべる子じゃなかったのに、と嬉しい驚きを感じています。
時には絵本や図鑑も開いて。大きな本棚に色々なジャンルの本が並んでいます。
学校でも変化があるように思います。
今年度はクラスの発表会で少し様子が違いました。
これまでは劇でも1人の出番がなく、大勢の中の一人か、サポートの子がついてくれていましたが、今年はクラス全体の1人として同じように舞台に立っていました。
見ていた私は嬉しくて涙がとまらないくらいでした。
成長したんだなと思います。
過度に特別扱いすることにより、できたかもしれないことを大人が奪ってしまうことがあると気づきました。
この書道教室では、できることを見極めながら、じっと待って引き出してくれます。
いいご縁をいただいたと思っています。
《先生のお話》
トレーニングの内容や、どんなことを心がけて接しているか
渡辺先生にお話を伺いました。
書道をベースに、個性がキラキラ輝くような時間を心がけて接しています。
本人のやりたい、と言うことにも時間を作ります。
学校の勉強の応援で、時計を見る練習、絵や工作なども。
時には家庭菜園の野菜を採りにいったこともあります。
自分の思いを伝えれば、やりたいことができる!
そう感じて、一生懸命伝えてくれるようになったのかと思います。
週に1回、自己表現することで自分の欲求をみたしてお勉強する、そんな時間です。
親や家族以外の人に、思いを伝える経験をすることで、コミュニケーション力も上がっていると思います。
今では、字を書くことについて、自信が出てきて、学校でもほめてもらえるようです。
筆を使うのは、3年生から。でも2年生の今、すでに筆でいい字を書けます。
これは相当なアドバンテージ。
少しずつ自己肯定感が高まり、自信につながってきているのではないかと思います。
それに、正座して筆を握ると自然にいい姿勢になります。
武道の「型にはまる」って感じですか。
背筋がピンと伸びて、気持ちもしっかり整います。
自分で格好いいと!思ってくれているのかもしれませんね。
字を書くことを通して自分を表現して、心や身体を整えていく。
この積み重ねが、これからの力になっていくと信じています。
子どもたちが、絶対に裏切らない人、わかってくる人がいて、自分の感情を出して進むことができる。
そう思って、「素」でいられる場を作りたいと考えています。
左)年末恒例の消しゴムはんこ、渡辺先生が子どもたちと一緒に作ったり、リクエストを受けたり。
右)子どもたちからの「書いてみたい!」というリクエストにこたえて、渡辺先生が書かれたお手本。習っていない字、難しい字があっても興味を持って取り組めます。