INTERVIEWEE
たかはし整体院
院長 髙橋 久也 さん(56)
気軽に扉を開けられる整体院
閑静な住宅街の一角にあり、カフェかエステサロンを思わせる大きな窓や木の質感を活かした明るい空間が目を引くたかはし整体院。「〝整体は中が見えなくて入りづらい〟という声があり、女性も安心して来院できるようにしたかったんです」と院長の髙橋さん。仕事帰りや子育て中の女性も気軽に来て欲しいと考え、2010年に木之庄から現在の場所へと移転した。ご褒美のような、ゆったり癒されるプライベート空間を提供している。
「リラックスしているのと不安があるのとでは、施術の入っていき方が違いますからね。木之庄での開院は2006年でしたから18年経って、今1日5名様限定で、しっかりご自分と向き合っていただける理想の院になっているように思います」。坪庭の見える陽だまりのような施術ルームで穏やかに語る。
身体の設計図を理解して
髙橋さんの行なう原始流整体は「万病一切、手で持って治す」を信条に、リンパや血流・筋肉・骨格にアプローチして身体を芯から整え、治癒力を高めるもの。生活や仕事、ふだんの姿勢や癖などの情報を丁寧にカウンセリングをしながらまとめ、実際に身体に触れて歪み、筋肉の凝りなどを確かめる。「人の身体は、シーソーのようにバランスを取りながらつながっています。疲労の蓄積、血流の巡りの悪さが、別の場所で痛みを出していることもあり、触れると、ここが元だなとわかることも多いです。これは痛くなりますよね、とすぐわかるほどの方もおられますので、本来の状態に整えていきます」。身体の設計図を理解して施術し、自分でできる簡単なケアもアドバイスしてくれる。
ありがとうをやりがいに
整体師になる前はブライダル関係の会社に勤め、挙式や披露宴の現場の長としてスタッフを仕切った。両親がお世話になっていた原始流整体に出会って転職を決めると、人体の解剖学的な基礎を学んでから、考案者である師匠の元で修行を重ねて独立を許された。「人に奉仕し、ありがとうって喜んでいただけることがやりがいです。運良くお客様に恵まれて仕事を続けています。前職が今につながっているんだなと時々シンクロします」と感謝する。休みと仕事を厳密に分けず、長年、年中無休に近い体制でやってきた髙橋さん。「人が困って来られる場所ですからね。今は娘も巣立ち、定休日を設けたら反対にプライベートをどう過ごしたらいいか」と笑うほど一心に寄り添ってきた。
今後は整体の業界が、つらい時痛い時だけのものではなく、リフレッシュ目的で健康な人も立ち寄れるスーパー銭湯寄りの日常的な役割が果たせればと期待し、これを、「整体のファッション化」と表現。自身は「お一人お一人としっかり向き合い、今を積み上げることが目標です」と語っている。
INTERVIEWEE DATA
たかはし整体院
福山市北吉津町3-2-31
TEL:084-975-2305
https://www.takahashi-seitai.jp