【かとうベーカリー/加藤 恭平】ー 深夜起床、パン窯に向かうー 朝食に間に合う美味しい進化

INTERVIEWEE
かとうベーカリー
店主 加藤 恭平 さん(38)

朝6時の開店にあわせて

朝6時、パンの焼ける香りとともに店が開く。1984年にオープンしたかとうベーカリーは、焼き立てのパンが朝食に間に合う店。店頭には約80種類のパンが、午前中を中心に焼き上がるそばから順に並んでいく。「外は暗くても店内はしっかり営業中です」。18時まで(木曜と日曜は16時まで)の12時間営業し、まさに朝から晩まで長年にわたって地域に愛されており、加藤さんが3年前に3代目店主となった。
妻とともに店を切り盛りし、土日は深夜1時、平日は深夜2時に起床して1日が始まる。「普通の勤めの人とは生活時間帯が違いますが、新・中学1年から新・年中児まで4人の子どもたちと過ごす時間を長く取れるので、最近は、このタイムテーブルが気に入っています」。

おじいちゃんのパン屋

高校から調理関係の学校に進み、中華料理人を志して中華料理店に就職。しかし次第に、広島市内でのバンド活動に力を注ぐようになった。そんなある日、知人から「かとうベーカリーを知っている」と声をかけられた。「離れた場所で、かとうベーカリーの名前を聞くと思っていなくて、だんだんと、大好きなおじいじゃんが開いたお店のことを考えるようになっていきました」。その後一念発起して、20歳のときに福山に戻り、父親と並んでオーブンに向かった。
もともとパン職人を志していたわけではないからこそ、固定観念に縛られない発想でパン作りに向き合った。北海道産小麦を100%使用して湯種製法、加水製法、中種製法などをパンごとに使い分けながら、しっとり、もっちりとした食感へと大胆に舵を切った。「先代の味の良い所は残して、時代とともに変化することもできた」。バゲットも生地を2日寝かせてから焼き上げるなど、手間を惜しまない。

地域から愛され続ける店に

年間を通して人気を集めるのは、種類豊富なサンドウィッチ類だ。バゲットを使った「ハムとチーズのカスクート」や定番の「三角サンド」に加え、「デニッシュの卵ポケット」といった新しい人気商品も生まれている。デニッシュ食パンをフレンチトーストに仕立て、自家製の卵サラダをたっぷり挟んだ一品だ。「じゃがいもパン」にも根強いファンが多い。昔ながらのクリームパン、あんパン、カレーパンといった定番も、マイナーチェンジを重ねながら、少しずつ美味しさを進化させてきた。
日々パンを焼き続けながら、加藤さんはこう話す。「子どもたちがおとなになるまで、パン屋という職業の選択肢も残せたらいいですね。大きな目標は、その先もずっと地域のみなさんに愛してもらって、続けていくことです」。

INTERVIEWEE DATA
かとうベーカリー
福山市木之庄町3-5-8
TEL:084-923-9425

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