【銀座に志かわ 広島福山店/浅原 雅人】ー 「今日のパンも最高にいい!」 ー 妥協せず黙々と作り上げる喜び

INTERVIEWEE
銀座に志かわ 広島福山店
工房担当 浅原 雅人さん(29)

パンの魅力を追い求めて

 パンには不向きで難易度が高い、と言われるアルカリイオン水を使いこなし、独自の甘みやしっとり感を引き出した特別な食パン。“水にこだわる高級食パン”として知られる「銀座に志かわ」が先月、三吉町にオープンした。工房内で働く浅原さんは、最も大切な仕込み工程の大半を担っている。
 福岡出身、高校時代にケーキ屋やパン屋でアルバイトをしたことをきっかけに、地元の調理製菓専門学校に進学した。新卒で入ったホテルニューオータニ博多のベーカリー部門を経て、新天地を求めて求職。ミスタードーナツの求人を目にし、今年5月末まで3年間、尾道と松永に勤務し、松永では店主を務めた。銀座に志かわの門を叩いたのは、「もう一度パンを作りたいという思いが募ったから。高級食パンの食べ比べをしたこともあり、興味がありました。しかもオープニングスタッフとして関われるなんて、おおっ!と思いました」と動機を振り返る。

経験に基づく妥協のない仕込み

 仕込みのグラム数は本社マニュアルで細かく決まっており、さらにその日の温度湿度、機材の状態といった様々な要素を頭に入れて、人為的に調整して仕上げていく。生地の温度ならプラスマイナス0.3度までが許容範囲という。「正確な計量と状況分析、勘と経験が頼りです」。仕込みにかかる時間によっても状態は変化する。「ぴたっと長方形で、角の白い線がきれいなのが理想です。お客様に出すのは全て合格点以上のものですが、自分の中での採点はもっと厳しくて、今日のはいい!って思う出来があるんです。毎日食べてくださる方でも気付かれるかどうかですが、そのごく微妙な良さを日々求め、喜びを感じています」。
 食べ方として、まずは焼かず何も付けずに、がおすすめだそう。「個人的には、サンドウィッチにしたら絶対に美味しくて、きんぴらごぼうのような和食にも合います。他にも、フルーツのジャムやコンポートとの相性もいいですよ」。さらに毎月上旬の10日間は旬の餡入り「月初めパン」を販売。1月は初売りの4日〜15日の限定になる。「12月の餡は安納芋でした。1月も期待してください!」とすすめる。

黙々とものづくりを楽しむ

 出勤は早朝3時10分。予約注文数によっては深夜0時に、YAMAHAの250CCを駆って今津町から通勤してくる。かなり大変そうだが「この生活スタイルも、黙々とパンを作る作業自体も大好きなんです」と全く苦にせず生き生きした表情で語る浅原さん。その分休日は、目覚ましをかけずにたっぷりと眠るとか。そしてツーリングへ。「大久野島へは年に5、6回行き、ウサギで癒されています。あとはたいてい、家でも何かを作っているんです。料理に限らずクラフト系のものとか」。様々なものづくりに向けられる情熱も伝わってくる。

INTERVIEWEE DATA
銀座に志かわ 広島福山店
福山市三吉町2-1-32
TEL084-999-0300

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