福山城天守が、県内初の「景観重要建造物」に指定され、それを示す標識(銘版)が7日、福山城博物館入口に設置された。
最上階に高欄を配し、東に小天守を付した近世城郭史上最も均整の取れた優美な五層天守など、指定理由となった外観上の特徴も記された。
指定日の8月28日は、水野勝成公が福山城の完成を幕府に報告し、城下を「福山」と命名した日とされる。小川政彦建設局長は「これを契機に城を中心としたまちづくりを推進したい」と語った。
城のあるまち講演会
これにあわせて、県立歴史博物館では、福山城築城400年記念プレ事業「第1回城のあるまち講演会」が行なわれた。
講師の福山市文化財保護審議会会長・佐藤昭嗣さんは、福山城築城前は、「無人の地や海ではなく、鞆から内陸への結節点として発達した港町だった」と説明。これを受けて福山城博物館の前館長・鐘尾光世さんが、足掛け3年で終わった築城の資材運搬に水路を利用したことや神辺城の櫓移築や石垣運搬の最短ルートをあげた。戦後の天守再建も「市民の寄付による大きなエネルギー。築城400年は福山ができて400年でもあり、声高に祝いたい」などと語った。
※第2回講演会は10月13日(土)13時半〜15時。神辺文化会館で、福山城の特色と神辺城の魅力について、広島大学名誉教授の三浦正幸さんが語る。予約不要・聴講無料。