【近畿大学附属広島高等学校・中学校福山校/鳥生 浩紀】ー リテラシーとモラル、ICT教育の底上げをー デジタルネイティブ世代の導き手

INTERVIEWEE
近畿大学附属広島高等学校・中学校福山校
(きんきだいがくふぞくひろしまこうとうがっこう・ちゅうがっこうふくやまこう)
教務部長・ICT教育 推進グループリーダー  鳥生 浩紀 さん(46)

Googleの認定トレーナー

 「とりう先生」。普通に呼んでもニックネームのような親しみやすさを感じる鳥生さんは、近大附属福山の数学教師。今月、国内でまだ10人程度といわれるGoogle for Educationの《認定トレーナー》試験に合格した。Google提供のソフトを使って授業改善をめざす教育者の指導や養成を行う、いわば〝先生たちの先生〟あるいは〝ICT(情報通信技術)教育のエキスパート〟といった役どころだ。
 認定要件には、専門知識や熟練度を問う試験の合格だけではなく、考え方や指導法についての動画提出が求められるなど、幅広い実践力が必要とされる。昨年8月から認定を目指して勉強してきたそうで「試験に合格するのは、正直嬉しいです。今はトレーナーの認定を受けている教員は少ないですが、私が早くから取り組んだだけ。これから増えていくと考えます」と謙遜しつつ広がりに期待する。

大学を身近に感じる学校生活

 鳥生さんは福山生まれの福山育ち。岡山大学大学院在学中に、非常勤講師として同校の教壇に立ち、「出会った子たちのおかげで迷いがなくなった」と生涯の職業に教師を選択した。近大附属福山は、平成6年に中学校が開設されて中高一貫校となったが、「その1期生が高校に上がったタイミングが、私の教師生活スタートの年でした」と懐かしそうに回想する。
 近大附属和歌山へも赴任し、福山に戻って4年目の今年、備後最大規模・約1千200人の生徒が通う同校の教務部長を任された。「近畿大学という勢いのあるグループの一員というのが大きなメリット。中1から大学を意識しながら過ごせる」と、中高一貫、大学まで見通すアドバンテージを最大限にいかした授業に力を注ぐ。部活は強豪のソフトテニス部顧問。

これからを生きる子どもたちに

 今後、教育のキーワードになるのは、やはりICTと鳥生さんは考える。「生まれた瞬間から端末に囲まれた〝デジタルネイティブ世代〟の子どもたちに、リテラシーとモラルをどう伝え導くかが問われています。無理に今の教育を変える必要はありませんが、日本のICT教育は世界と比べて遅れており、なかでも広島県は伸び代が大きい地域です。公立私立を問わず転換を迫られており、本校をベースに底上げを目指したいと思います。これからの世界で活躍する子どもたちに、いい教育を提供したいのです」と志を語る。
 また、「教師は職業柄、なかなか新しい勉強をしないから」と認識し、〝ワクワクする教育〟について考える人たちによる「GEG(Google Educator Groups)Hiroshima City」にも所属。志を同じくする教師同士がコロナ禍もオンライン会議でつながってきた。子どもたちの未来のために常に自分を高めるアップデートを誓いながら、動き始めている。

INTERVIEWEE DATA
近畿大学附属広島高等学校・中学校福山校
(きんきだいがくふぞくひろしまこうとうがっこう・ちゅうがっこうふくやまこう)
広島県福山市佐波町389
TEL:084-951-2695

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