乱杭歯とは、顎骨と歯の大きさの不調和により歯が重なり合って生えていたり、歯列から飛び出してデコボコしている歯並びのことをいいます。
ハサミ状咬合とは、「シザースバイト、すれ違い咬合」とも呼ばれ、上の臼歯(奥歯)が外側に、下の臼歯が内側にズレてあるため、奥歯で噛み合っていない状態です。(画像1)。
今回は写真で見て分かる通り、乱杭歯の状態がひどく、歯を並べるスペースがないため、抜歯矯正としました。
上顎左側第一・第二小臼歯と右側第一小臼歯、上顎左右の親知らずを抜歯しました(画像2)。
下顎小臼歯の抜歯は行わず、埋まっている下顎親知らずと下顎第二大臼歯を抜歯しました(画像3)。
それから通法に従って矯正治療を開始しましたが、画像1のハサミ状咬合は、通常のワイヤー矯正では治りません。
そこで、口蓋にアンカースクリューを埋入して、ゴムにて第二大臼歯を内側の方向に引っ張っていきました(画像4)。
抜歯部位の正しい選択と矯正器具をうまく使うことにより、シビアな乱杭歯とハサミ状咬合は改善され、審美性と機能性を兼ね備えた良好で安定した咬合状態が得られ、患者様も大変満足されました。
◆年齢:26歳女性
◆治療期間:2年4ヶ月
◆治療費用:約70万円