Vol.22 巻き爪について

 「巻き爪」は、足のゆびの爪が変形したもので、爪の先端が内側に湾曲し、皮膚に食い込んでしまった状態です。痛みや腫れを引き起こし、傷口に細菌が感染することもあります。爪の切り方や歩行の仕方、靴などの日常生活のなかに原因があり、症状が重かったり再発を繰り返したりする場合には、原因を取り除く治療も合わせて必要になります。
 巻き爪の原因で多いのは、深爪などの誤った爪の切り方、先の細い靴や固い靴、爪水虫などの爪の病気です。爪を短く切り過ぎると、外向きに広げる力が足りず、皮膚に食い込みやすくなります。爪先がきつい靴も、緩すぎる靴も、爪にかかる力のバランスを崩して巻き爪の原因になります。起立や歩行の機会が減ることによっても起こります。
 「爪の変形がひどい」「痛みや炎症が強い」「再発を繰り返す」といった場合には、形状記憶装置のついた超合金のワイヤーで爪を広げる方法(写真1)などがあります。しかし、どんな治療でも、それだけでは根治は難しく、巻き爪になる原因を解決しない限り、再発は起こり得ます。
 巻き爪の予防や再発防止には、正しい爪の切り方(図1)が大切です。先の白い部分を少し残し、足の指の先と平行になるよう横に真っ直ぐ切り、角はやすりで丸く整えます。靴は、幅がきつくなく、爪先に1センチ程度のゆとりがあり、かかとがぴったり合うものが適切です。
 高齢者は、巻き爪の痛みのために立位や歩行がおっくうになることもあり、筋力や運動機能の低下を予防するためにも巻き爪の治療は大切です。

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