下肢静脈瘤になると、静脈瘤の中に血のかたまり、すなわち血栓ができることがあります。静脈瘤では、血液は瘤の中によどんでいるため、流れは非常に遅くなり血液が固まりやすくなります。さらに静脈が拡張すると静脈の壁(内膜)も常に高い圧を受けることで傷がつき、血液がくっつきやすくなるために血栓ができてしまいます。血栓のできた静脈はしこりになり、さわると鈍痛があります。
下肢静脈瘤の患者さんが「急に痛くなった」と受診したら、まず血栓性静脈炎を疑います。静脈の中に血栓ができると急性炎症が起こり、静脈に沿って皮膚が赤く腫れて熱をもち、ズキズキとした痛みを伴い、押すと激痛があるので診断は容易です。超音波検査では、下肢静脈瘤の内部に大きな血栓を認め、静脈は拡張しています。炎症は自然に治まることが多く、特に治療をしなくても10日前後で痛みはなくなります。しかし、最初の血栓の前後に新たに血栓ができた場合は、炎症も再発して痛みなどの症状が長期間続きます。血栓性静脈炎の治療は、鎮痛消炎薬と湿布、包帯や弾性ストッキングによる圧迫療法が基本になります。
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