Vol.29 便秘と痔の関係について

Q. 便秘は、痔に影響するのでしょうか

A. 便秘は、痔の発生や悪化に影響し、逆にその予防や治療にも大きくかかわります。長期間の便秘で硬くなった便が直腸にたまると、肛門周辺の静脈を圧迫して血液の流れを悪くします。硬い便を出すために、腹圧をかけて長時間いきむことにより、肛門部のうっ血が強くなります。これを慢性的に繰り返すと、静脈の壁が次第に弱くなり、血液がたまって膨らみ内痔核(いぼ痔)が生じます。
 さらに周囲の支持組織まで緩んでくると、痔核は肛門の外へ脱出(脱肛)してきます。脱肛すると、痔核と便の区別がつかなくなり、便が残った感じがします。すると、ますます長い時間トイレでいきむようになり、痔を悪化させてしまうという悪循環を繰り返すわけです。
 また排便時に硬い便が通過することで肛門に傷がつき裂肛(切れ痔)が生じます。裂肛による痛みは強く、肛門括約筋が反射的に収縮するため、肛門が狭くなり、切れやすくなります。強い痛みのため排便が怖くなり、便秘を繰り返す、この悪循環により裂肛は慢性化して深く硬くなり、手術が必要になることもあります。

Q. 他の便秘の原因は?

A.  ダイエットなどで朝食を抜くことも、便秘の原因になります。体につくられた「起床・朝食・便意」という長年のリズムが乱れてしまうからです。また食事の量を極端に減らすと便意が起こらなくなり、水分摂取を減らすと便が硬くなります。
 このように便秘と痔は深い関係にあり、痔の予防、治療の第一歩は便秘をしないことです。

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