【株式会社 南瓦工房/南 憲治】ー クリーンエネルギーを自家消費する時代ー  屋根のプロが提案する太陽光発電

INTERVIEWEE
株式会社 南瓦工房(かぶしきがいしゃ みなみかわらこうぼう)
代表取締役 南 憲治 さん(44)

独立から20年、業界歴も約30年

 福山市近郊に30ケ所以上の太陽光発電所を運営し、企業から一般家庭まで幅広い太陽光発電システムの設置を手助けする南瓦工房。もともとは、その社名が示すように、代表の南さんが瓦工事の職人集団として創業した。
 15歳で瓦職人に弟子入りして屋根仕事を始めた南さんは「安定しない足場での労働というキツイ仕事ですが、手に職をつけたかったので」と辛抱し、2000年に24歳で独立したというから、44歳にして既に30年近いキャリア、社長歴も約20年ということになる。2012年に株式化し、一級かわらぶき技能士のノウハウを発揮しながら、住宅や寺社の瓦の葺替えをはじめ、屋根工事全般に携わり、この会社を育ててきた。2014年には、引野町に一級建築士事務所ジオ・プラン株式会社も設立し、トータルな家づくりも提案できるようにしている。

屋根のプロは、太陽光発電のプロ

 同社における太陽光発電は2008年、近隣に先駆けて手がけ始めた。「お客様からの問合せがきっかけでした」。南さん自身が取扱いメーカーの施工ID(資格)をいち早く取得して時流を待つと、予想に違わず自家発電や売電、投資目的の流れが来て即対応。「自分たちが営業して顧客を獲得するスタイルではありませんが、特殊な現場での工事ということで、地元の電気工事店や住宅会社などを介しての発注が次々に入りました。屋根や瓦を専門とする自分たちにしかできない部分やアドバイスもあり、今もタッグを組んでいます」と話す。
 また同社は、必要量と発電量に見合う設備設計(プランニング)から現場施工、電力会社の送配電網に電気を送る〝連系〟までワンストップが可能な数少ない企業。「お客様のメリットを大きな強み」とし、現在、仕事の7割を占めるほどにまで成長した。

持続可能な企業とまちの実現

 現在、特に力を入れているのは、工場や店舗の自家消費型発電システムの普及。今月、経済産業大臣が、旧式の石炭火力発電所を2030年度までに休廃止する方針を表明したばかりで「企業が消費するエネルギーを自社で発電し、しかもクリーンなものに変えていく動きが不可欠です」とし、再び時流の後押しも感じるそうだ。気になるのは導入後に元が取れるかどうかだが「基本的に10年以内に元が取れます。そしてシステムは20年以上絶対に動きます」と太鼓判をおす。
 自分の仕事を南さんは、「太陽がなければ発電できず、悪天候が続けば平日を休んで日祝に突貫。お天道様 さまさまの仕事」と朗らかに笑いながら、「福山市の価値を上げ、持続可能な都市の実現に貢献できる仕事でもあります」と自負する。休みの日は海へ。「子どものウェイクボードを船で引っ張る役なので、オフも太陽の下にいますね」と日焼けした目元を緩ませた。

INTERVIEWEE DATA
株式会社 南瓦工房(かぶしきがいしゃ みなみかわらこうぼう)
広島県福山市神辺町川南1713-1
TEL:084-962-3938

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