Vol.36 鼠経ヘルニアの日帰り手術について②

Q. 鼠経ヘルニアの合併症について教えてください。

A. 一番大きな合併症は嵌頓(かんとん)です。ヘルニアは、自然とへこんでしまい、中には自分で押し込む人もいます。飛び出したり、引っ込んだりすることが、ヘルニアの特徴ですが、飛び出した内容物が元に戻らなくなる異常な状態を嵌頓と言います。

Q. 嵌頓が起こるととどんな症状が現れますか?

A. 嵌頓が起こるとヘルニアの膨らみが硬くなり、強い痛みや吐き気、嘔吐(おうと)を伴い、ヘルニア部分の皮膚が赤くなってきます。
 鼠経ヘルニアの内容物は、大部分が小腸ですが、これがおなかの中に戻らなくなると、ヘルニア門で締め付けられてしまい、小腸へ血液が届かなくなって虚血状態に陥ります。そして血行不全が進むと、小腸の壁が壊死(えし)し、穿孔(せんこう)といって腸に穴が開いてしまいます。
 穿孔が起こると、小腸の中にいる大量の細菌が、体内に吸収されて血液に入り、最終的には敗血症と呼ばれる重篤な状態に陥ります。さらにショック状態になると、血圧低下、冷感、やがて意識消失に陥り、そのまま治療しないでいると生命に関わることになります。
 鼠経ヘルニアの手術は、このような嵌頓から起こる最悪の状態を未然に防ぐことが、最大の目的とも言えます。

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