公民館長さん、学区のお宝を2つ教えてください!【加茂公民館】

INTERVIEWEE
加茂公民館/金尾 芳和館長

1つ目のお宝は、「加茂知っとる検定」です

加茂の歴史や文化を通して郷土愛を育もうと、2009年度から、まちづくり事業として始めたご当地検定です。毎年2月に受験、3月に合格発表という流れはすっかり定着し、昨年度は小学生から70代まで210人が受けました。
問題は四者択一形式で100問(小中学生は三択50問)あり、点数に応じて級がもらえます。問題作成は、まちづくり役員を中心に小中学校の先生などで作る実行委員会。加茂のことを楽しく学んでほしいので、地域行事に出て、事前に受験生に配るテキストに目を通せば解けるレベルにしています。
近年は加茂小6年生と加茂中1年生が授業中に受験するようになりました。今年度は10回目、節目の検定です。

2つ目のお宝は、激動期に思想を貫いた「窪田次郎」です。

加茂公民館に行くと窪田次郎の顔を見ることができる。

窪田次郎(1835-1902)は、現在の加茂町粟根に生まれ、明治時代の激動期に医師として、啓蒙思想家として活動した偉大な人物です。
故郷の人々の暮らしを豊かにするため、現在の小学校の前身である啓蒙所を全国に先駆けてつくり、武士や商人の子どもだけでなく、農民の子どもたちも読み書きや算数が学べる環境を築きました。また、地方議会の走りである民会をおき、誰もが自由に自分の考えを言える流れも作りました。医師としては、風土病「片山病」の解明などに尽力しています。
全国的に有名な加茂町出身の作家・井伏鱒二に比べると、窪田次郎は有名ではありません。しかし、明治政府より先に教育の重要性を説いた彼の偉業を後世に語り継ぐことが、我々の役目だと思っています。

こちらは粟根にある彼の生家跡地です。

福山市の史跡に指定されています。
また、大正年間に移築されたとされる母屋は同じ加茂町の中野にあります。

長い間造り酒屋として名を馳せていましたが、2017年1月、往時の面影を可能な限り残して、精進料理や蕎麦・うどんを提供する「旨匠 仁助(ししょう にすけ)」として新たな歴史を刻み始めました。こちらは文化財には指定されていません。

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