基礎インスリン(トレシーバ®)とGLP–1受容体作動薬(ビクトーザ®)の配合剤(ゾルトファイ®)が登場しました。配合比率は、トレシーバ50単位に対して、ビクトーザ1.8㎎で、例えばトレシーバ25単位とビクトーザ0.9㎎をワンショットで打てる(これをゾルトファイ25ドーズという単位名で呼びます)計算になります。日本人の基礎インスリンの注射量は、概ね15から40単位くらいですので、その量のトレシーバを注射すれば、0.5から1.4㎎くらいの範囲でビクトーザが自動注入されることになります。
日本人の場合、インスリン分泌を促進させるビクトーザの量は、0.6㎎くらいあればほぼ十分と考えられますので、15ドーズくらい打てばインスリン分泌促進作用は発揮されますし、また、中枢性の食行動の変容作用は、あくまでも私見ですが、1.2㎎くらいから発揮されるという印象を持っておりますので、30ドーズ以上打てば、体重減少作用も期待できる計算です。 このゾルトファイは肥満2型糖尿病患者さんにおいて有効性が高いと思います。インスリン抵抗性の強い肥満患者さんで40単位くらいのトレシーバを打っている場合、ゾルトファイに変更すると、内因性インスリン分泌を促進しますので、インスリン量は2割減くらいになりますし、さらに食行動の変容が期待できますので、大幅な体重減も期待できます。
近い将来、肥満2型糖尿病患者さんのインスリンにとって代わる潜在能力を有しており、まさに、GLP–1新時代の幕開けと言っても過言ではないでしょう。