Q. 痔について教えてください
A. 痔は大きく分けて次の3つのタイプに分けられます。
痔核(いぼ痔)…
肛門にいぼができる。内痔核と外痔核がある。
裂肛(切れ痔)…
硬い便などにより肛門の皮膚が切れる。
痔瘻(あな痔)…
細菌感染が原因で、肛門に膿のトンネルができる。
Q. 3つのタイプの症状は?
A. 「内痔核」は、歯状線(皮膚と粘膜の境目)より上のクッション部分にできるいぼ痔で、出血はありますが、軽いうちは痛みません。ひどくなると、排便時に痔核が脱出するようになり、最終的には指で押し込んでも戻らない状態になってしまいます。
「外痔核」は、歯状線より下の部分がうっ血して大きくなったもので、血栓(血のかたまり)ができると激しく痛みます。
「裂肛」は、歯状線の下側の皮膚の部分が切れたり裂けたりするもので、排便時に強い痛みと少量の出血があり、排便後もしばらく痛みが続くことがあります。便秘で硬い便や、下痢便が勢いよく通過することで、肛門上皮が切れることも原因になります。
「痔瘻」は、歯状線の小さなくぼみから大腸菌などの細菌が入り込んで、直腸と肛門の周囲に膿がたまり(肛門周囲膿瘍)、膿を排出するためできたトンネルの状態のことです。高熱や痛みを伴うこともあります。
Q. 痔は手術をしないと治らないのでしょうか。
A. 肛門科を受診した方で手術が必要とされるのは、痔のタイプを問わない平均値で、15〜20%程度です。肛門の周囲は、とても複雑な構造になっており、手術を行ってかえって肛門の機能を損ねてしまうことがあります。このため痔の治療は基本的に保存療法が主になり、生活療法と薬物療法を行います。