Vol.51 下肢静脈瘤について

Q. 下肢静脈瘤はどんな病気ですか。

A. 下肢静脈瘤は、下肢の表在静脈(皮下、筋膜の表層を通る)が拡張したもので、逆流を防ぐ静脈弁の障害が原因で生じます。
静脈は、心臓に戻る血液が流れていますので、弁が正常に働かないと血液は逆流することになり、足の下の方に血液が鬱滞(うったい)します。その結果、静脈は拡張して瘤(こぶ)のように膨らみ、だるさやむくみ・こむら返りなど、鬱滞症候群と呼ばれる様々な症状が生じます。

Q. 下肢静脈瘤の治療は?

A. 治療は、下肢静脈の鬱滞を防ぐことが基本になります。手術が必要になる静脈瘤は、伏在型静脈瘤(足の付け根や膝裏で分枝する伏在静脈に逆流があるもの)と側枝型の一部で、逆流が始まる部位から塞ぎます。近年は、血管内治療が確立し、血管内焼灼術(レーザーや高周波による)によって塞ぐ方法が主流となり、さらに瞬間接着剤による閉塞も行われています。約100年間にわたって世界中で基本術式として行われてきた、逆流する伏在静脈を引き抜くストリッピング手術が適応となることもあります。
その他の静脈瘤の種類には、クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤があります。クモの巣状や網目状タイプは、皮内や皮下の1〜3㎜までの静脈の拡張で、硬化療法(注射治療)や圧迫ストッキングによる治療が行われます。

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