【 広島県立 福山高等技術専門校/中谷 芳朗】 遠回りを埋めて余りある結果に「急がば学べ」

INTERVIEWEE
広島県立 福山高等技術専門校
(ひろしまけんりつ ふくやまこうとうぎじゅつせんもんこう)
校長 中谷 芳朗 さん(57)

求職者対象、備後の拠点校

 芦田川右岸、山手橋上流にある、屋根がドーム状になった背の高い建物が、福山高等技術専門校の本館棟。1946年(昭和21年)、野上町に創設され、のちに移転。福山職業訓練所(校)をはじめ、法改正にあわせて学校名を変え、尾道・府中の専門校を統合し、5科(機械システム、溶接加工、自動車整備、電気設備、建築)の専門知識や技能を短期間に習得できる備後の拠点校となった。
 4月から校長として赴任したのが中谷さん。呉市出身で県の行政職として1980年に採用。会計部署を経て、呉高等技術専門校へ。広島、呉、福山、三次の4専門校等を管轄する職業能力開発課や広島県障害者能力開発校なども経験した。ここでは「ものづくりの土台を担う人材を、熱意ある職員とともに養成し、しっかり知っていただけるよう取り組んでいます。社会に出る前に、専門分野を学ぶことに集中できる1年間は、とても貴重です」と意義を語る。

人生の礎になる1年間の学び

 というのも、昨今の人手不足。技術は入社後に学べるからと、直ぐに就職することが多いのが現状。「ただそれでは、うまく仕事になじめず、離職してしまうことも多い。本校で専門知識や技術を身につけておけば、業務の理解が早く、スムーズに仕事に就くことができます。やはり基礎は重要です」。また、企業によっては同校で身につけた資格が給料に加算されるという。「やがて、学んだ1年(自動車整備科は2年)を埋めて余りある結果が待っています」。その考え方はまさに〈急がば回れ〉。同校のモットーに合わせるなら〈急がば学べ〉の精神だ。来年1月7日〜2月13日の募集は、40歳(科によっては30歳または35歳)以下の全求職希望者が対象で、門戸も大きく開いている。
 また、年に一度の技能祭は、そんな学校を知る絶好の機会でもあり、10月26日で第50回。建築科の訓練生が作った収納箱や木製ラック、溶接加工科によるスマホスタンドやバーベキューコンロなどが販売されるほか、小学生に大人気のハンドスピナーや時計キット製作、かんな削り等8つのものづくり体験に、屋台も並ぶ。

生涯スポーツを楽しみながら

 中谷さんは広島市内からの新幹線通勤で、広島駅までと福山駅からの往復約15 kmは自転車通勤。毎日少なからず体を鍛えているが、実は今も、仲間と立ち上げたソフトバレーを生涯スポーツとして楽しみ、全国大会にも出場しているほど。もともと中高バレー部でセッターとして県4強入り。県庁バレー部では15年間キャプテンを務め、40歳からは監督として関わった。ぐいぐい引っ張るリーダーというより、なんでも穏やかに受けとめる相談しやすい人柄やスポーツ経験は、訓練生たちにとっても大いに頼りになるはずだ。

INTERVIEWEE DATA
広島県立 福山高等技術専門校
(ひろしまけんりつ ふくやまこうとうぎじゅつせんもんこう)
広島県福山市山手町6-30-1
TEL:084-951-0260

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