INTERVIEWEE
株式会社HIKARI(かぶしきがいしゃ ひかり)
代表 三島 一輝 さん(23)
自社社員が責任を持って
株式会社HIKARIは木造住宅をメインに、鉄筋コンクリート・鉄骨造、内装など、様々な現場に対応する解体工事業者。外構工事も手掛ける。代表の三島さんが昨年、地元神辺で立ち上げた。友人の紹介で働きはじめ、5年間勤めて独立。「といっても最初は他社の応援や下請けからでした。仕事の波はありますが社員を雇い、重機も購入し、会社としての形を整えてきました」。広島、岡山エリア全域を対象に、自社社員のみで幅広い解体の要望に応えられるところまで短期間で来たのだから、急成長だ。1軒あたりの解体に10日かかる計算で忙しく働いている。「当たり前のことですが、常に安全かつ丁寧な施工を徹底しています」。
挨拶回り、正規処分、地中調査
多くの業者が競合する解体業界にあって、選ばれ勝ち残っていく理由は様々だが、株式会社HIKARIは特に、挨拶やマナーを大事にしているそうだ。「危険も伴う工事ですから、現場の作業員同士の意志統一が大切です。同時に、施主様やご近所の方とのコミュニケーションも欠かせません」。近隣の人にとっては、粉塵や騒音・振動がどうしても発生してしまう工事なので「ご挨拶回りを私たちがきちんとしてご説明するなど、不快な思いをされないよう尽力しています」と心を配る。
得意の木造住宅解体は築100年の家まで手掛けたことがあるという。「腐って床が抜け、倒れかけた家もありましたが、ただ壊してならすのではなく、良い木材が使われていれば、予め手作業でどかしておくので活用できます」。人力と重機を併用し、適正価格を心がける。また、希望によっては、地面から50㎝までの地中に石や障害物が埋まっていないかの調査も可能。当然ながら廃棄物は正規処分で、1軒1軒全てに産業廃棄物管理表「マニフェスト」(運搬や処理の最終まで記録するシステム)を作っている。
解体は最後ではなく、最初の一歩
「解体というと建造物の最後と思われるかもしれませんが、次にその土地を使用する人にとって、安心・安全な未来をお届けする大切なスタートなんです」。たいていの依頼が解体後の用途や方向性が決まっているため、実は、最初の一歩だと三島さんは言う。「ただ壊して何もない状態しておしまいにするのが解体の仕事ではなく、依頼された方が万全な状態でその土地を活用できるよう、未来を感じられるまっさらな状態にするのが私たちの仕事です」と心意気を語っている。
「輝く街の未来を創ろう」と会社をおこした三島さんは、まだ23歳。これからの長い将来について、「会社を大きくしようというよりは、依頼された家を1軒ずつ地道にコツコツキレイにすることを積み重ねたいと思っています。利益は信頼とともに後から付いて来ているかもしれないけれど」。着実な歩みを進めている。
INTERVIEWEE DATA
株式会社HIKARI(かぶしきがいしゃ ひかり)
福山市神辺町川北238-1
TEL:084-999-2611