口腔ケアと、誤嚥性肺炎について

Q. 85歳の父が肺炎になってしまいました。病院で、誤嚥性肺炎だから、口の中のケアをしっかりするように、いわれました。口腔ケアと、誤嚥性肺炎についておしえてください。(56歳主婦)

A.  最近では、誤嚥性肺炎と耳にする機会も増えてきていると思います。まず誤嚥とは、本来なら口から摂取して、食道を通るものが、気管に入ってしまうことです。誤嚥性肺炎は、唾液や食べ物、あるいは胃液などと一緒に細菌を気管に誤って吸引することにより発症します。

 高齢者や神経疾患などで寝たきりの患者は口腔内の清潔が十分に保たれていないこともあり、この場合、口腔内で肺炎の原因となる細菌がより多く増殖してしまいます。また、高齢者や寝たきり患者は咳反射が弱くなり嚥下機能が低下します。その結果、口腔内の細菌が気管から肺へと吸引され、肺炎を発症します。また、栄養状態が不良であることや免疫機能の低下なども発症に関与してきます。他方、嘔吐などで食物と胃液を一度に多く誤嚥して発症する場合もあります。

 肺炎は、近年日本人の死亡原因第3位という高い割合を占めています。入院を要した高齢患者の肺炎の種類を調べたデータによると、80歳台の約8割、90歳以上では9.5割以上が誤嚥性肺炎であったと報告されています。つまり、後期高齢者の肺炎のほとんどは誤嚥性肺炎だと考えられます。症状としては、肺炎の名前から想像される通り、誤嚥性肺炎においても発熱、咳、痰などが代表的です。

 誤嚥をした際、嚥下機能が正常な人であれば咳をして誤嚥物を吐き出そうという防御反応が働きます。しかし嚥下機能が低下している場合には、誤嚥をしても咳反応が乏しいことがあります。そのため、誤嚥性肺炎で咳がない状況というのは、誤嚥が引き続き生じる可能性のある危険な状況といえます。

 誤嚥性肺炎を起こさないためには、まずは、正常な嚥下機能を回復することです。しかし、なかなか難しいこともありますので、食前食後に行う口腔ケア・咽頭ケアが大切になります。口腔内を清潔に保つことにより、たとえ誤嚥を起こしても肺炎を起こさないようにできるのです。

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