No.881【洋菓子の時間 Georges /稲垣 美紀子】会話が弾む楽しい時間を洋菓子で ー育児休業4年を経て再開ー

INTERVIEW No.881
洋菓子の時間 Georges(ジョルジュ)
店主 稲垣 美紀子 さん(41)

4年休んで営業再開

 産休・育休のため4年間お店を閉めていましたが、今年5月に再開しました。ケーキや焼き菓子を一人で焼いており、営業は金曜と土曜の午前11時から午後5時までの限定です。 ケーキも焼き菓子もそれぞれ10種類ほどをご用意しています。派手さや〝映え〟感は控えめかもしれませんが、召し上がったときに「あ、美味しい」「想像を超えた」と思っていただけたら嬉しいです。定番を追求しながら、季節ごとの新作も出しています。
 看板商品は、ホールケーキのように数人で切り分けて食べてもらう「びんご赤坂プリング」。12個の丸みを付けた形で、中央が空いているリング型です。11年前のオープン時に、時計になぞらえた型を注文しました。型からひっくり返してドーンってお皿に出す瞬間に、たっぷりのカラメルソースがあふれ出します。プリンを囲んで「どのくらい食べる?」なんて話を弾ませながら、楽しい時間を過ごしていただけますように。

働きまくった10年

 お菓子作りの原点は、小学生の頃、友人と焼いたクッキーでした。甘いものは好きではなかったのですが、家族が喜んでくれるのが嬉しくて、やがてケーキも焼くようになりました。膨らませたり飾ったりして、元の材料とは全く違う姿のものが出来上がる、そんなお菓子作りに魅了されました。
 大阪の製菓専門学校を卒業後、「ケーキって美味しいんだ」と思う出会いがあり、神戸のケーキ専門店では5年ほど働かせていただきました。ケーキ屋では通算8年働いています。そのうち3年半はケーキ屋とレストランとのかけもち。うどん店で働いた1年半は、レストランとのかけもちでした。その当時は自分に新しいものを生み出すセンスがないと思っていたので、吸収できるものは吸収して身体で覚えて、工夫できるようになり、自分への自信につなげられたらと、朝から夜中まで働きまくりました。

蔵を改装した店、これから

 29歳で福山に戻り、祖母の家の築100年になる蔵を改装して、念願のお店をオープンしました。木の梁や厚みのある壁、特徴的な窓…独特な空間にピアノや木の丸テーブル、絵本棚を置き、少しでも非日常を感じていただける時間にしたいと工夫しています。
 人気の「チョコスフレロール」は、神戸での修行時代の賜物でリピートの多い商品です。店名を冠した三角形の多層ケーキ「ジョルジュ」は、ほろ苦いカラメルクリームやナッツの食感を楽しんでもらえるよう進化させました。甘いものが苦手な方にも喜ばれています。
 6年半の営業と4年のお休みを足すと、開業10年を過ぎました。叶うかどうかわかりませんが、洋菓子の美味しい喫茶店は夢の一つ。それ以上に、お客様がほっとする時間のお供として、長く愛されるケーキを作り続けたいと思っています。

■ PROFILE
1984年福山市出身。大阪の製菓専門学校を卒業し、神戸の複数のケーキ専門店やレストランで約10年勤務。2014年ジョルジュをオープン、4年の育休を経て、今春営業再開

■ SHOP DATA
洋菓子の時間 Georges(ジョルジュ)
広島県福山市赤坂町早戸1607-2
TEL:084-952-0205
インスタ/@georges_3_2014926
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