土間。と聞いて思い浮かべるのは、昔ながらの玄関や台所。屋外でもなく部屋でもない、日本家屋特有の「半野外」的な空間。
この「土間」を、現代的に解釈してデザインした、加茂町にあるモデルハウスを訪ねてみた。井上建設がリリースしているセレクトハウス「Doma style」だ。
見学する前に、いまどきの土間事情をインターネットで検索してみた。
PC画面いっぱいに広がったのは、無機質なコンクリートの床を生かしたオシャレな生活空間。趣味のバイクや自転車を置くもよし、キャンピングツールを飾るもよし。
アウトドア派の家族が住むには最高だろう。そんな印象を抱いた。
けれど、実際にモデルハウスを訪れて、それはほんの一例に過ぎないことに気付く。
玄関と一体になって1階のほぼ半分を占めた土間の空間。サーフボードやボディスーツを置いたリビングになっていて、窓を開け放てば、そのまま外とつながる。
子どもが泥だらけで入っても、さほど気にならない。
ベビーカーや自転車を押しながら入ることだってできる。
子どもが小さいうちは、砂場を作ってもよさそう。
キッチンから目が届く、外遊びのスペースになる。
BBQだって天候に左右されることなく楽しめる。
友人たちも靴のまま気軽に入ることができる。
生活感を出したくなければ、間仕切りでDKと隔てればいい—。
イマジネーションが止まらない。
百聞は一見に如かずというが、“百画像”も一見に如かずだった。
大切なのは、子どもが巣立った後のこと。
土間は、格好のおとなの遊び場に変わる。
そして、さらにその先、介護が必要になったとき。
車椅子やストレッチャーで、そのまま入れる部屋になる。
ここで1日の多くを過ごすようになったとき、日差しと風をたっぷり注いでくれる窓は、今よりももっと存在感を増す気がした。
「このモデルハウスは、お客様の滞在時間が長いんですよ」と井上社長。こちらの想像に寄り添いながら機能面の優秀さを説き、ローコストのプランも提示して、安心感を与えてくれた。
「Doma style」を体感できるモデルハウスは、市内ではここだけ。独特の開放感や、土間と同様に自由度の高い2階の間取りなども合わせて、現地で体感してほしい。