【クラフトハート・ブルワリー&ダイニング/濱岡 康太郎】ツウを唸らせ、初めての人を夢中にー クラフトビールの深い魅力を発信

INTERVIEWEE
クラフトハート・ブルワリー&ダイニング
醸造長・店長 濱岡 康太郎 さん(49)

レストラン直結の醸造所

 尾道の酒卸問屋の家に生まれた濱岡さん。長年家業を手伝っていたが、「もっと深くビールを知って提案を」と、まずは愛媛と尾道をつなぐイメージの「しまなみIPA」のレシピを考案、酒造に依頼し商品化した。しかし「やはり自分の手で取り組みたい」。40半ばを過ぎて醸造の道へ進もうと決意し、仕事上で関連のあったハートピアが運営する醸造所「クラフトハート・ブルワリー」へ。
 ここは、ベネフィットホテルのレストラン「クラフトハート・ダイニング」の奥にある。レストランで定番ビール6種に+限定ビール、ビール酵母を使った自家製ナポリピザや特製ソーセージを味わう人は多いが、ビール醸造所が直結していて、最高の鮮度と状態で注がれる1杯だと知る人はそう多くない。

データの蓄積と五感への記憶

 1種につき最大で200ℓずつ仕込み、約1か月で出来上がるとのことで、ここで濱岡さんは、丸2年で独創性に富んだ100種以上を送り出してきた。仕込み水のミネラル調整に仙酔島の海水塩を使った「仙酔ドラフト」や、福山産食用バラとハイビスカスを使い、シャンパンを思わせるきめ細かな泡立ちが魅力の「カステロ福山ロゼ」などが不動の人気で、サンフレッチェ広島をイメージした紫ビールも記憶に新しいところ。「その土地の、旬なモノを使っていろんなレシピを作るのは面白い。そこからどう酵母の発酵を引き出すか。五感を頼りにするところとデータの蓄積の両方が大事。ようやくいろいろなことが見え始めた」と手ごたえを感じている。

福山でクラフトビールフェスタ

 入船交流広場に自慢のビールを持ち込み、10月5日と6日に初の屋外フェスタを開催するため、今着々と準備を進めている。10種類以上のクラフトビールに地元のうまい店が集まるブース、音楽ステージなどを予定。この日は定番5種に加え、限定ビールとして庄原産の有機ホップ甲斐黄金を満載した「庄原IPA」が登場。とんがった攻めのビールを楽しめるほか、「ミルク ヴァイチェンボック」ならミルクチョコレートバナナを連想させる、ビールの固定概念を捨てられる甘く薫るビールだ。
 日本では乾杯、最初の1杯として定着したビールだが、「食前、食中(肉・魚)、デザートなど、ワインのような料理とのマリアージュ、飲み分けをぜひ楽しんでみて。どんなにビール通のお客様でも飲んだことのないものが必ずあります。色、香り、味、口当たり、泡、余韻…同じブルワリーでも全く違うんです」。クラフトマン(職人)の誇り、ビールの深い魅力を熱く語っている。

INTERVIEWEE DATA
クラフトハート・ブルワリー&ダイニング
広島県福山市霞町2-5-7 ベネフィットホテル福山1階
TEL:084-983-2391

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