認知症と口腔ケアの関係

Q. 母親が軽度の認知症になりました。認知症になったら歯科に行って、口腔ケアを受けた方がいいと聞きましたが、どんな関係があるのでしょうか。【53歳 女性】

A.  口腔内を清潔に保つことは、体全体の健康につながります。認知症の方は、認知症の種類や進行度により個人差はありますが、口腔内を清潔に保つことが難しいです。今回は口腔ケアの効果を説明します。

●唾液の分泌を促進する
唾液には歯や口の粘膜を保護したり、虫歯や歯周病を予防したりする役割があるため、唾液の量を増やすことは口腔ケアにおいて重要なポイントです。残留物や細菌で口腔内が不衛生な状態では、唾液が出にくくなり口の中が乾燥します。口腔ケアで口の中を清潔にすると、唾液の分泌が促進されます。また、歯ブラシなどで「唾液腺」を刺激して働きを活発にすることでも、意図的に分泌量を増やせます。

●感染症や発熱を予防する
口の中にいる細菌の中には、表皮感染症や食中毒を引き起こす「黄色ブドウ球菌」、呼吸器感染症を引き起こすおそれのある「肺炎桿菌」など、全身疾患の原因となる菌も存在します。しっかりケアをしないと口腔内が菌の温床となり、感染症や肺炎にかかりやすくなることも。口腔ケアには、感染症や発熱の予防という効果もあるのです。

●誤嚥性肺炎を予防する
嚥下(食べ物を飲み込むこと)機能が衰えると、食べ物や唾液が気管に入ってしまうことがあります。このとき、口腔内の細菌が肺に入って起こるのが「誤嚥性肺炎」です。口腔内の汚れや細菌を減らすことは、誤嚥性肺炎の予防につながります。誤嚥性肺炎は高齢者の命にかかわることもある怖い病気なので、しっかり予防することが重要です。

●口腔機能の低下を防ぐ
高齢者は、「噛む」「飲み込む」「呼吸する」「話す」「表情を作る」といった口腔機能全般が低下しやすい傾向にあります。口腔機能が衰えると、十分な栄養が摂取できなくなり、免疫力の低下や摂食障害につながります。口腔ケアを通して口腔機能を向上・改善すれば、体全体の健康の回復が期待できます。

認知症が進むと、介護者が介助磨きをする必要がありますが、いきなりではなかなか難しいです。もし認知症とわかったら、早めに歯科を受診し、検診を受け、認知症が進む前に、口腔ケアの予定を立てておく必要があります。

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