INTERVIEWEE No.679
株式会社 アッパーヤード(かぶしきがいしゃ あっぱーやーど)
代表取締役 吉野 寛之 さん(41)
問題解決したくて
弊社はソフトウェアとシステムの企画、開発、販売、保守をメイン事業に、社内インフラ整備やアプリ開発、ウエブサイトの構築といったIT関係業務の全般を請け負っています。取引先は家具製造業、縫製業、自動車部品製造業、食品卸販売業、電子機器製造販売業など、職種を問わず市内外にあり、それぞれの業務に合わせたシステムを設計・企画し、運用・サポートも行っています。社員は私を含めて5人おり、うち4人がシステムエンジニア兼プログラマーです。
学生時代からIT業界に興味はありましたが、最初から目指していたわけではありません。大学卒業後、関西でのレジャーサービス店の共同経営を経て、20代後半に福山でシステム会社に転職したのがスタートでした。
IT知識はゼロでしたが、お客様からの「困った」「助けて」という声に応えるため、人一倍勉強しました。営業から提案、プログラミング、納品、サポートまで、一連の業務を一人でできるようになってからは、仕事が一層面白くなりました。やがて、「もっとフットワークが軽く、今以上にお客様に親身になったサポートがしたい」と考えるようになり、自分がやりたいサービスを提供するため、2011年に今の会社を立ち上げました。社名には、お客様とともにより良い環境を目指していくイメージを込めています。
柔軟さが信頼に
近年、企業がシステム開発に期待していることは、売上向上ではなく、業務の効率化です。コストダウンを叶え、人手が少なくて済むシステムの構築が主流で、この流れは今後ますます加速しそうです。
満足度の高いシステムを作るには、丁寧なヒアリングが不可欠です。弊社では、お客様が何に困っているかを把握しつつ、1日の流れを教えていただき、改善点や解決法を提案しながら設計していきます。大手では見積もりを経てヒアリングに入るケースが多いですが、弊社では先にヒアリングします。また、設計後や納品後も、多少の変更であれば予算内で対応しています。初めから完璧なシステムはできませんし、柔軟に対応することで、お客様にも安心して相談していただけると考えているからです。
反対に、完成してしまえば今度は我々の業界の主要業務「保守」がメインになります。誰もが扱いやすいシステムを設計していますが、慣れるまでは操作方法に関する問い合わせはありますし、年数が経てば機械のトラブルも増えてきます。すぐに新しい機械が手に入らないときに備えて、PC本体をはじめ、マウスやプリンタなど周辺機器は一通り揃えていますし、問い合わせを受けたら常に、いつ解決に伺えるか、具体的に伝えています。
弊社ではこうした業務の積み重ねで、信頼関係を築いてきました。お客様がお客様を紹介してくださるので、これほど宣伝効果が高いものはありません。おかげさまで、営業を雇用しなくて済んでいます。
変化への対応もサポート
昨年は消費税増税に関するシステム対応に、今年の年頭はウィンドウズ7のサポート終了を受けての相談や対応に追われました。この業界特有の突発的な需要増加は、今後もさらに増えると思います。またシステム開発に限って言えば、新しいものを構築するより、今あるものに新しい機能を加える仕事が多くなりそうです。
いずれにしても、使う人を置き去りにするような開発では意味がないので、今後はAI化、IoT化による不安を取り除く活動も求められるでしょう。例えば、キャッシュレスへの抵抗を無くすには、電子マネーの使い方を説くより、操作が簡単で便利だと実感してもらうほうが早いです。システムの変化に困っている人、対応できない人を支えるためにも、これまで以上に相手の立場に立ったサポートを提供していきたいです。
■ SHOP DATA
株式会社 アッパーヤード(かぶしきがいしゃ あっぱーやーど)
広島県福山市野上町1-9-26
TEL:084-982-5922