【異業種リレーの「わ」No. 726 】「1点ものに懸ける情熱」

INTERVIEWEE No.726
株式会社ウラベサインボード
取締役 占部 篤彦 さん(31)

ものづくり一家に育つ

 野上町で看板業を営む家に生まれました。私は、長男で三代目です。映画館の看板やトラックに文字を書く職人だった祖父の跡を父が継ぎ、1986年に「株式会社ウラべサインボード」として法人化。手掛ける看板の種類を増やすなど事業を広げ、会社を成長させました。
 1階の工場兼事務所と3階の工場に挟まれた社屋の2階が実家です。幼い頃の遊び道具といえば、工場の機械と看板の端材を使って、父が作ってくれた手裏剣や鉄砲でした。創造力と器用さを持ち合わせた父の影響で、私も、ものづくりが大好きな子どもに育ちました。
 現在は、父と私、弟と社員の計4名で、日々の業務にあたっています。

幅広い看板の仕事

 うちは、受注、デザインや設計を含む看板の製作、設置、設置後の点検・メンテナンスまで一貫してできるのが強みです。
 製作では、金属、樹脂、木、特殊な紙や布など様々な材料を使います。それを、一つ一つ注文に合わせて加工して、看板が完成するわけです。ある時は溶接、ある時は断裁、またある時はシート貼りなど素材や加工法により、力仕事から繊細な作業までさまざまです。
 設置では、道路脇に立てる野立て看板なら、穴を掘り、セメントで固めますし、工場など高い場所への取り付けでは、高所作業車やユニック(クレーン付きトラック)を操縦します。
 どの工程でも一貫して気をつけているのは、丁寧な仕事をすることです。看板は、一度取り付けると、頻繁に取り替えるものではないですし、そもそもがオーダーメードの1点もの。見えないところもキッチリ仕上げ、長く使ってもらえるものを心掛けています。設置で完了ではなく、その後の点検も大切です。落下など事故防止のためにも、設置翌年から1年に1度必ず点検し、安全確認をしています。

提案と発信

 仕事のやりがいは、喜びの声をいただくこと。いいのが付いたね、来店が増えたよ、と聞くと本当に嬉しいです。自分が取り付けた看板を目にすることもあるので、お客様も私も、お互いに満足のいくものをと思い、取り組んでいます。秘訣は、良い点も悪い点も正直に説明すること。お客様それぞれにベストな提案ができるよう、今後も努力していきます。
 ありがたいことに、受注はお得意様や紹介が多いのですが、うちができることを知ってもらうことも大切だと考えています。看板のことはもちろん、飛沫防止のアクリルパネルやピアノへの装飾、結婚式のペーパーアイテムなど、看板の加工技術を応用したオーダーメード商品などもSNSで発信しています。うちができる仕事で喜んでくれる人が増えることを願い、どんどん新しいものづくりにも挑んでいきたいです。

■ PROFILE
1990年生。盈進高校卒業後、神戸国際大学へ進学。2013年、実家の「株式会社ウラべサインボード」に入社、三代目として奮闘中。福山絲竹の会で尺八の奏者としても活動する

■ SHOP DATA
株式会社ウラべサインボード
広島県福山市野上町1丁目4-23
TEL:084-922-2909

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