フェンスの修理から本格的な和洋の庭づくりまで、エクステリアのことなら何でも任せることができるランドワークスさん。
こちらの造園職人、坂本悌(さかもと やすし)さんにインタビューさせていただきました。
二級土木施工管理技士、二級造園施工管理技士、宅地建物取引士と3つの国家資格をお持ちで、同社では植栽に関する依頼の全てを担っています。
◆ 造園を生業にした経緯
記者:このお仕事に携わってどのくらいになりますか?
坂本さん:キャリアとしては21歳に始まり、今年で21年目になりますね。
記者:もう20年以上も!ベテランの職人さんですね。これまでにどんな会社で経験を積まれてきたのでしょう?
坂本さん:庭づくりと土木工事の基礎は市内の造園会社で学びました。造園をメインに様々な外構工事の経験を積んだあと、ハウスメーカーに転職して、新築のエクステリアのニーズやトレンドの抑え方などを身につけて、2016年に独立しました。ランドワークスさんから依頼を受けるようになったのは、その年からです。
記者:なるほど、今は一人親方として契約を結ばれているのですね。造園業を選んだきっかけは何でしたか?
坂本さん:そもそもは父の勧めでした。父は船乗りでしたが、何か思うことがあったのか、私には造園業を持ちかけてきて。それを真に受けたという感じですね。
記者:でも素直に受け止めたということは、何かお庭とのご縁があったのでは?
坂本さん:そうですね…小学生のときから毎年、職人さんが庭の木の剪定に来てくれていたので、身近な業種ではありました。
記者:かっこいいな、なんて思われたりしていたとか?
坂本さん:ですね。でもぱっと見は恐かったですよ、昔の職人さんですから、それこそ頑固一徹という感じで(笑)。だからでしょうね、毎日「おかえり」と声を掛けてもらえるのがとても嬉しかったのを覚えています。
記者:今では坂本さんが子どもたちに声を掛ける側になりましたね!
坂本さん:そうなんですよ。施工中に「おかえり」と声を掛けながら、当時の職人さんを思い出したりして、くすぐったい気持ちになっています。
◆ この仕事のやりがいについて
記者:様々なお仕事の中で得意分野はありますか?
坂本さん:得意と言いますか、植樹や剪定で木に触る時間はとても好きです。私が手を加えることで樹木が元気になっていくのが嬉しく、その上、お客様からも「きれいになった」「ありがとう」と喜んでいただけますから。
記者:それがこのお仕事の醍醐味でしょうか。
坂本さん:そうです。たくさん喜んでいただいているうちに、やりがいになりましたね。
記者:坂本さんがお庭をデザインすることはありますか?
坂本さん:基本的には私はランドワークスさんから受け取った設計図をもとに、お客様の意図を汲み取って樹木や壁、門扉などを配置するのが仕事で、私がデザインすることはありません。設計段階で樹木の適用性などについて意見を求められたときには専門的な立場からお答えしています。
記者:そうなんですね。意図を汲み取るということは、思い出の樹木にまつわるエピソードもありそう!
坂本さん:ありますよ。いつだったか、おばあちゃんが大事にしていた梅の木が枯れているから何とかしてと言われて再生したことがあります。
記者:枯れていた木をですか?
坂本さん:はい。芯の部分は何とか生きていたので、ちゃんと栄養を吸い取れるように力のある枝を残すなどして剪定し、肥料を与えました。
記者:その木は今どうなっていますか?
坂本さん:完全に元気になるまでは少し時間が掛かりましたが、今は毎年満開の花を咲かせてくれています。
記者:すごいですね!お客様、どんなに喜ばれたことか!
坂本さん:はい、それはもう。ご家族の笑顔を見ていたら、私も嬉しくてたまりませんでした。そんなときに、この仕事をしていて本当に良かったとしみじみ感じますね。
別のお宅の話になりますが、おおきな松の木の再生もしました。
その松の木は樹齢100年は優に超える立派な古木でした。
少し元気がなくなっていたので、築山も含め全体の樹木が呼吸できるように土を含めて再生したこともあります。
記者:ずいぶん大変な作業だったのでは?
坂本さん:樹木に触れる時間がとても心地が良いので、大変という思いはなかったですね。
むしろ、樹木以外の、琉球石灰岩を乱積みした壁づくりのほうが、集中し続ける時間が長くなるので大変だったかもしれません。
記者:壁も坂本さんの手作りなんですね。
坂本さん:はい。形も大きさも不揃いの石を、それぞれの噛み合わせを考えながらバランス良く積み上げて、どの角度からも美しさを感じられるように仕上げました。表面からはわかりませんが、内部にモルタルを入れるなどしてしっかり安定させています。
記者:まさに職人技!石を生かすための技術も必要なんですね。他にも石を使った施工例で、難易度が高いものはありますか?
坂本さん:「敷石」ですね。石をステンドグラスのように張り合わせていく「乱形張り」という技法は、施工者の技術の差がわかりやすく出ると言われています。
美しさを感じさせるにはいくつかの条件があって、代表的なものが石と石の隙間、「目地(めじ)」の幅を均等に揃えること、そして「四つ目地」を作らないということですね。
記者:四つ目地って何でしょうか?
坂本さん:目地の交差点が十文字になった状態を言います。“人”という文字をイメージして張り合わせていくのが理想です。
記者:だから全部が三叉路のようになっているんですね!
坂本さん:バランスをとりながら、石を加工しながら、一つひとつ張り合わせていくので、この乱形張りは、ある程度の技術と熟練度が求められます。
記者:今後、敷石を見る目が間違いなく変わります。面白いですね。
坂本さん:石を使う外構工事は、美しさと強度の両方を兼ね備えさせるために色々な技法を使うので、なかなかに奥深いですよ。私自身、自分で納得のいく施工ができるまでに10年近く要しました。
記者:植栽にしても、敷石にしても、そうした専門知識と確かな技術を持っている坂本さんだからこそ、安心して任せることができるのでしょうね。
坂本さん:まだまだ学ばなくてはいけないことはたくさんありますよ。それでも、頼っていただけることは非常に光栄なことだとありがたく受け止めています。
記者:最後に、坂本さんが、施工にあたって心掛けていることを教えてください。
坂本さん:やはり、設計図通り忠実に再現すること、ですね。造園業には美学がいくつかありますが、私たちは芸術家ではありませんから、そこを勘違いせず、プロとしてできる精一杯の仕事をして、お客様やランドワークスさんの思いを形にしていこうと思います。
【取材後記】1時間ほどお話を聞かせていただいて、坂本さんの真面目で実直な人柄がひしひしと伝わってきました。受けた仕事の規模が「お庭まるごと」であろうと「庭の木1本」であろうと、坂本さんは常に丁寧で真摯に仕事をされているのだと思います。お庭や外構のことで気になることがある方は、ぜひランドワークスへ相談してみてください。女性のガーデンアドバイザーと岩本社長も、親身になって寄り添ってくれて、お悩みの解決に動いてくれます。