【異業種リレーの「わ」No.773 】障がい者のより豊かな生活のために

INTERVIEW No.773
社会福祉法人 にこにこ福祉会
理事長 瀬良 京子 さん(71)

「さをり織り」との出会い

 「にこにこ福祉会」では、障がい福祉サービス事業、特定計画相談支援事業、指定障がい児通所支援事業などを行っております。私がこの仕事を始めたのは一冊の本がきっかけでした。

 私は24歳で結婚し、翌年娘を出産しました。3歳の定期健診の時、娘に障がいがあることが分かりました。消化するには時間がかかりましたが、全てを受け入れると娘の可能性を何とか輝かせてあげたいと考えるようになりました。当時、障がい者はとても低く考えられていて、社会に関わるほとんどのことがさせてもらえない状況でした。そんな頃に出会ったのが城みさをさんの「さをり織り 好きに好きに織る」という本です。本には障がいがあっても、身体が弱くても、それぞれの個性を活かして織れる「さをり織り」について書いてありました。私自身も「さをり織り」を始め、障がいを持つ方たちと一緒に製作するようになりました。

 1987年、少人数で小規模の無認可作業所を作りました。1993年には規模を大きくした「にこにこ会作業所」を作りました。1997年に法人認可を取得し、翌年の1998年からは現在の建物で行っています。

 また、法人を取得した頃から「さをり織り」以外にも焼肉のたれやコロッケの製造も開始しました。焼肉のたれは、なかやま牧場の直営スーパー『ハート』で地元に愛されるロングセラー商品になりました。そして、新しく開発した「なかやま牧場 こだわり 焼肉のたれ」は、第7回福山ブランドに認定していただきました。コロッケは『ハート』各店で、移動販売車での店頭販売を行い、ご好評いただいております。それぞれ、できる限り地元のものにこだわって製造しています。また、近年では休耕地をお借りして米やアスパラガスなどの栽培も行っています。出来たアスパラガスを入れて作ったミンチカツ、また川口町特産のダイジョ芋入りやくわいパウダー入りの鶏団子などは学校給食にも使っていただいています。

障がい者がより豊かに生活できるように

私はずっと障がい者の働く場にこだわってきました。「にこにこ会」は従業員と雇用契約を結んでいます。障がい者であっても「自分達が働いてお金を得る」施設です。ですから一般社会と同じくきっちり働かなくてはなりませんし、作る製品が高品質でなくてはなりません。「障がい者が作っているから」というマイナス・プラスのフィルターを取り払って、製品そのものを気に入ってもらうことで、真の意味で障がい者が社会に溶け込むことになると思うのです。  「にこにこ福祉会」には障がいの段階に応じて「にこにこ会」「りひと」「にこてらす」などの施設があります。状態や本人の意思によってそれぞれの施設を行き来することができます。私は一般企業を含めて施設の行き来がもっと活発に行われるべきと考えます。働く人がより幸せに生活するには、もっと「循環」が必要だと思っております。

■ PROFILE
1951年生。福山市出身。「社会福祉法人 にこにこ福祉会」理事長。就労継続支援A型事業「にこにこ会」、B型事業「りひと」、生活介護事業所「にこてらす」、相談支援センター「つ・き・か」、放課後等デイサービス「てご」他、障がい者グループホームも運営。

■ SHOP DATA
社会福祉法人 にこにこ福祉会
福山市神辺町西中条1099-4
TEL:084-960-2020

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