【馬場・片山法律事務所/片山 博矢】ー B型肝炎や医療過誤相談に注力ー 真相究明と被害者の法的救済、予防

INTERVIEWEE
馬場・片山法律事務所
弁護士 片山 博矢さん(43)

海外を巡り、再び法学と向き合う

 尾道市の出身。大学で法学を学び、卒業後すぐは就職を考えず、オーストラリアと東南アジア各国を旅した。「当初、10年は日本に戻らないつもりで、自転車を主な交通手段にして巡りましたが、現地では、働きながら学校に行く若い人も多く、自分も何か社会の役に立たなくてはとの思いを徐々に強くしていました」。
 そんな折、ネットニュースで日本にロースクール(法科大学院)制度が設立されることを知り、海外生活に結果として2年で区切りを付けると、再び学問と向き合った。司法試験に合格後、同期の馬場氏と2010年に立ち上げたのが、現在の法律事務所になる。広島地方裁判所福山支部の正門前にあるビルという、わかりやすく利便性の良い場所で、医療関係の訴訟や成年後見を中心に幅広い相談に応じている。

B型肝炎の検査、給付手続を

 患者側弁護士による広島医療問題研究会に所属し、医療過誤の予防・原因の究明と、被害者の法的救済を目的として活動中。全国B型肝炎訴訟広島弁護団の一員として、「コロナワクチンの集団接種でも器具の連続使用事故情報を収集して、国に再発防止の提言をしました」など、厚生労働大臣に直接要求も出していく。そんな片山さんの元には、やはりB型肝炎給付金制度や医療過誤訴訟といった医療関連の相談が多く寄せられる。
 「特に県東部は、B型肝炎の感染が多い地域です。8〜9割は献血や入院、手術時の採血でキャリアだと分かった無症状の人ですが、症状が出た時には進行していることも多いので、健康診断のときに肝炎ウイルス検査を追加するなど自主的な検査を受けて」と勧める。全国の推計被害者40万人に対し、提訴はまだ8万人強(広島弁護団のエリアで広島市は2千92人、福山市は508人)との数字も示した。「慢性肝炎などと違い給付金が少ないキャリアの方には、将来にわたり肝臓の定期検査が無償になるメリットもあります。病院への資料請求の文面に至るまでこちらで準備するので、手続き面も心配ないですよ」。

ライフワークとしての「予防」

 医療関係者に向けては「B型肝炎の患者さんを治療する際に、給付手続きがあることをしっかり伝えてもらえたら嬉しいです。医師が背中を押してくれて、救済につながったという例も少なくないのです」と呼びかける。病気を治すだけでなく、精神的・経済的な救済への後押しを業種を超えて一緒にできたらという。
 「原因を突き止めて訴訟を有利にすすめるのはもちろんですが、将来にわたって医療関連の被害がでることを未然に防ぎたい。これが私のライフワークになるのかもしれませんね。もっと良い社会になるよう願っています」。1つ1つの言葉を選びながら、穏やかに語っている。

INTERVIEWEE DATA
馬場・片山法律事務所
福山市若松町7-8 杉原ビル3F西
TEL:050-1743-7700
B型肝炎 電話無料相談 TEL0120-10-6589

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