福山市新市町にある、塗装の専門会社『有限会社 マツシタ』。
一級塗装技能士も在籍する、塗装のプロ集団だ。
“見えないところこそ、丁寧に、注力する”
そんな姿勢が、見栄えだけでなく耐久性の良い外壁を叶える。
今日は、そんな(有)マツシタが実際塗装作業をしている現場へ取材に来た。
今回取材させてもらったのは、
病院の外壁塗装工事。
建物が古くなってきたため、ヒビ割れ(クラック)の修理と、溝のヒビがでないように塗装をすること、そして防水(コーキング)の施工だ。
施工前の外観はこんな感じ。
古びてしまい、なんとなく暗いイメージ。
壁の溝に汚れもあり、ところどころに黒ずみも目立つ。
屋上の床も、ヒビが入り、雨漏りも心配な状態に・・・。
まずは、屋上の壁から、丁寧に下塗り。
フェンスなどに塗料がついてしまわないように、
養生がしっかりとしてあった。
下塗り1回、仕上げ2回の施工だが、
この下塗りがすごく重要だそうで、
塗り残しやムラが出ないように、ローラーを使って丁寧に塗っていく。
同時に時間との勝負でもある。
雨の日は施工ができないため、(濡れたらもう一度塗り直しもあるそう…)
晴れた日にできるだけ作業を進めるのだ。
後日、仕上げの塗装をする。
今回はシリコンという塗料の薄いグレー色の塗装。
同時に、外壁も塗っていく。
狭いスペースに職人さんたちが入って、丁寧に塗装をしている。
足場がとても狭かったり、壁と壁の間で暗かったりする中
さすがベテラン塗装師のローラー捌き!!
ムラなく、塗り残しなく、どんどん綺麗に塗装されていく。
今回は溝を埋める作業も。
チューブのような、先端が細い道具で、シーリング材を丁寧に出していく。
溝を埋めたら、
壁との境がまっすぐ平らになるように、ヘラでのばしていく。
そして、ヒビ割れの修理。
これを丁寧に直しておかないと、水は侵入し、雨漏りの原因になったりする。
溝は、埋めた後に、上からセメントを塗って、ボコボコが気にならないようにしていく。平らにするために、重ね塗りの回数も、場所によって変えていくのだ。
また、大きなヒビ割れがあるところは、あえてその周辺を削り、シーリング材を流し込んでいく。これはUカットと呼ばれる補修の方法。
基本的には1mm以上のひび割れを補修する場合に使われる工法で、幅10mm、深さ10〜15mmほど電動工具を使ってU字型に掘削してシーリング材を充填。
シーリング材と躯体の接着面積が広くなるため、ひびが振動などで動いたとしても追従することができるそう。
つまり、同じ場所が再びひび割れを起こさないようにする効果があるわけだ。
壁が塗り終わると、次は屋上の床の塗装だ。
床は、もともとひび割れが激しく、雨漏れの心配もあった。
見た目も不安を煽るような古さで、ここは塗装でしっかりと防水したいところ。
まずは、防水のシートを床一面に敷き詰める。
この上から塗装をしていく。
床の塗料はウレタン防水材という防水加工の塗料が混ぜてあるもの。
壁よりも艶があって、鏡面仕上げのよう。
こちらももちろん、下地を丁寧に塗ったあと、仕上げの塗装を行う。
クリーム色の下地の上に、グレーの仕上げ塗装。
細かいところは刷毛を使い、丁寧に仕上げていく。
職人さんの真剣な眼差しもかっこいい!!
屋上が蘇った。
屋上のもうひとつのスペースは、テニスの練習ができるように。と
緑色の塗装だ。
こうして壁や屋上が塗り替えられ、ようやく完成!!
見た目の良さはもちろん、防水加工もしっかりできて、梅雨の時期も安心だ。
最近は防水加工の塗装の依頼が多いそうだが、
それは、『雨漏りの原因の多くが外壁』だからだそう。
外壁の小さなヒビから、気づかないうちに壁内の断熱材や天井裏に水が溜まっていることが多々ある。
早めの見極めと、対策が必要なので、
特に梅雨の前は気をつけて、早めに診断してもらうのがオススメ。
外壁塗装といっても、今回はヒビ割れの修理や溝埋め、屋根の塗装から防水加工までいろいろな施工を見学させてもらった。
丁寧で妥協のない仕事こそが、
建物を何十年も支えていけることに繋がっていくのだと感じた。
まるで新築のように蘇った。