Q. 脈が遅いのですが病気でしょうか?
A. 脈拍は1分間に50回から100回までが正常です。1分間に50回より少ない場合、徐脈といって正常より遅いと呼びます。100回より多い場合は、頻脈といって正常より早いと呼びます。
徐脈の原因はいろいろあります。一番多いのは運動をしている人が徐脈であることです。普通運動をしている時は脈が早くなります。運動をして体を鍛えていると体がその状態に適応して、運動中もあまり脈が早くなりません。その場合、運動をしていない時は逆に脈がゆっくりになります。いわゆる「スポーツ心」と呼ばれているもので、よくみられる状態です。
特に、体に長時間負荷をかけるマラソンなどをしている人は、安静時の脈はとてもゆっくりで1分間の脈が40回前後のことも多くみられます。これは、体が順応して徐脈になっている状態ですので問題ありません。
今は運動をしていないが、以前運動をしていたことがあるという人も徐脈です。日常生活には問題ありません。運動をしたことがなくても、力仕事などをしている人も脈がゆっくりですが、こちらも問題ありません。
特に運動をしたこともないのに、脈が1分間に40回ぐらいしか打たない時は、何か病気があるかもしれません。めまいや動悸、胸部不快感など症状があれば、心臓の精密検査を受けることをお勧めします。心臓に病気があり、脈がうまく打てない状態なのかもしれません。
心臓の中の、定期的に電気刺激を出す洞結節という所が、うまく電気信号を出せない状態なのか、または電気信号は正常に出ているのに、その電気信号がうまく心臓に伝わらない状態なのか、心臓に伝わった電気信号が途中で途切れているのか、調べる必要があります。検査は24時間心電図といって、小さな心電計を体に24時間付けて、脈がちゃんと打っているかどうか調べます。