特集・読み物
2021.1.27
No.35 鼠経ヘルニアの日帰り手術について
鼠経(そけい)ヘルニアの日帰り手術について教えてください。
鼠経ヘルニアを根本的に治すには、手術が必要です。手術により、おなかの壁にできた隙間(ヘルニア門)から飛び出している腸(脱腸)などを、中に戻した後に、ヘルニア門をふさぎます。この隙間をふさぐ手術が、体の負担や再発の少ないメッシュを用いる方法に改良され、麻酔法の進化と合わせて日帰り手術が可能になりました。
具体的な手術方法は?
従来からの、鼠径部の皮膚を数センチメートル切開してヘルニアを治療する方法(ほとんどの日帰り手術で行われます)と、腹腔鏡下に行う方法に大別されますが、それぞれに利点があります。いずれの方法も、脱出した臓器をおなかの中に戻し、出口をふさぐことで治療します。出口をふさぐために用いるメッシュは、絶えず改良が重ねられています。
患者さんに与える侵襲(ストレス)が少なく、安全に根治することが手術の最優先事項です。
麻酔等について具体的に教えてください。
静脈麻酔で眠っている間に、低濃度局所浸潤麻酔で痛みをとりながら手術を行います。目が覚めたら手術は終わっています。手術終了後、歩いて回復室へ移り、約1時間の経過観察を経て、問題なければ帰宅できます。手術当日からシャワーは可能で、1週間後と1か月後に来院してもらい経過をみます。
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