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異業種リレーの『わ』

特集・読み物


2020.3.11

異業種リレーの「わ」No.681 花工房 花の箱 花職人 谷本 憲正さん

今回は、「沼田法律事務所」弁護士、沼田 大助さんのご紹介により、「花工房 花の箱(福山市東町1-5-1 TEL:084-931-3422 )」花職人、谷本 憲正さんに登場願いました。

 

10人が好む花束より、その人に合った花束を

 

夫婦で切り盛り
 1985年に福山初のフラワーアレンジメントショップとして開業して以来、妻・順子と2人で切り盛りしてきました。店頭には生の花とドライフラワーと、少しの鉢物を置いていますが、派手な色の花はあまり置いていません。気負いがなく、肩の凝らない花束を得意とする花屋です。珍しい品種を置いているので、自分用の花を買いに来られる花好きの方も多いです。

 花束は、受け取る方の情報を可能な限り伺い、その方のイメージと贈る側の想いを融合させたものを、お祝い事に合わせて作ります。10人が好む花束より一人ひとりに合った花束を。この想いは開業時より変わりません。時には、九州や北陸地方で結婚式を挙げる娘さんのブーケを、当店でオーダーする方もいます。花束を贈るなら「花の箱」で。そう思ってくださる方々に支えられてきました。

 日々のオーダーに対応するのは妻、私はフラワーデザイン教室とウェディングブーケの担当です。教室は初心者向けで、お客様との距離感を近づけたくて始めました。時間に制約のある方でも月に1度は花とふれあって心を癒せるように、受講日は選べるようにしています。


花は主役であるべからず
 花屋の実家を継ぐつもりで大学では経営学を専攻。卒業後、全国の花屋の卵が集まる東京の専門校に入学し、技術は当然のこと、教え合い助け合いながら学ぶ、人として大切な精神性も習得しました。そして、当時から誰にも真似できない色彩感覚を持っていた同級生が妻になり、子どもが生まれた30歳のときに、「花の箱」をオープンしました。

 開業時の福山は、花といえば生け花と葬儀の花だけで花束は二の次、花嫁のブーケは造花でした。そこで、生のブーケに力を入れることから始めました。これまでに作ったブーケは、私が手がけたものだけでも1000個は優に超えています。全て、新郎新婦にじっくりカウンセリングした上で作りました。

 例えば、ドレスの模様を隠さないためにクレセント(三日月型)ブーケを、背の高い花嫁が小さく見えるようにキャスケード(滝のように長い)ブーケを…。白い花嫁を白い花で際立たせるときは、リキュウソウやスマイラックスといったグリーン(葉物)もたくさん使います。色々なグリーンがあるからこそ、白がより美しく見えるのです。

 ただ、どんなに綺麗に作ってもブーケはあくまでセカンドビューティー、主役より目立つことはタブーです。常に名脇役でいなくては。とりわけ、今流行りの、その人が自然に美しく見えるナチュラルブーケには、奇をてらわず個性をさりげなく演出するセンスが求められます。これこそ、私たちの得意分野です。


家族で歩幅を合わせて
 2015年に改装し、ガラス張りだった外観をグリーンが基調の木目調に変え、店舗と教室の入口も分けました。フラワーアレンジメントやフラワーデザインという言葉が知られていなかった時代は、私たちの仕事を説明する時間が必要でしたが、もうすっかり定着したので、私たち夫婦が目指したい店、お客さんと距離を置かない花屋になるために環境を整えました。花をもっと掘り下げ、花の名の由来や歴史、ブーケの正しい持ち方なども伝えることで、より私たちらしさを出していきたいです。儲けはいつでも一番後回しになってきた面はありますが、お客さんの笑顔やお礼の手紙に救われてきました。35年なんとかなったので、そろそろ胸を張ってもいいかなと思ったりもします。

 この先も色々な波が押したり引いたりするでしょうが、才能の塊のようなパートナーがいるのであまり心配はしていません。それに今は、娘も子育てしながら手伝ってくれています。全寮制の恵泉女学園短大で園芸学を専門的に学び、豊富な知識で私たちを支えてくれています。力強い限りです。



異業種リレーの『わ』

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