特集・読み物
2020.3.7
先祖供養について考えよう 〜お彼岸とは〜

日本には、春と秋のお彼岸にお墓参りをする習慣があります。なぜこのような風習が生まれたのでしょうか。今回は、お彼岸について紐解き、家族で先祖供養について考えてみましょう。
日本文化に定着している「お彼岸」は、サンスクリット語の「パーラミター」に由来すると言われています。
「パーラミター」を音写すると、「波羅蜜多(はらみた)」となります。般若心経の「般若波羅蜜多(はんにゃはらみた)」の波羅蜜多です。意味は、「完成する、成就する」で、仏教の概念としては、欲や煩悩、苦しみにあふれた輪廻の世界から解脱し、迷いのない悟りの境地に達することを表しています。
この悟りの境地を、川を挟んだ向こう岸「彼岸」に例えたのが、日本の伝統行事「お彼岸」です。日本古来の自然観や先祖崇拝の影響もあり、亡くなった家族や先祖は、迷いのない「彼岸」へと渡り、時に私達が生きる此岸に姿を現すと考えられるようになりました。
では、なぜお彼岸が、春分の日と秋分の日の前後なのでしょうか。
春分の日と秋分の日は、太陽が真東から上り真西へと沈みます。そのことで、彼岸と此岸とが通じやすくなると考えられ、この時期に先祖供養をすることでご先祖の冥福を祈るとともに、自らもいつか迷いのない此岸に到達できるよう願ったのです。

ひと口に「お彼岸」と言っても、彼岸と此岸(あの世とこの世、すなわちご先祖と私たち)とが行き来する行事であり、そのための場所が「お墓」といえます。
お彼岸にお墓参りをする理由が、何となくお分かりいただけたでしょうか。この春のお彼岸は、家族で先祖供養について考えてみてはいかがでしょうか。

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