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異業種リレーの『わ』

特集・読み物


2020.2.5

異業種リレーの「わ」No.678 株式会社 イーテック 専務取締役  柳本 知寛さん

今回は、「焼肉まるせん」代表、船津 良太さんのご紹介により、「株式会社 イーテック(福山市手城町3-2-1 TEL:084-982-8210 )」専務取締役、柳本 知寛さんに登場願いました。


高精度な加工技術で不可能を可能にする

 

…要求以上の品質で
 精密機械や自動車、ロボットなど、世の中にある産業製品は全て、数え切れないほどの金属部品を組み合わせて作られていて、そうした部品を加工するのが弊社の仕事です。NC旋盤やマシニングセンタといった工作機械を使い分け、鉄やステンレス、真鍮、銅などを削ったり磨いたりして、サイズも形も様々な部品に仕上げます。

 弊社は2011年7月、妻を社長に2人で創業。妻は主に事務を、私は営業をしながら加工もしており、もう1人、加工担当の社員を雇っています。会社の規模は小さいですが、加工技術の精度はどこにも負けないつもりでいます。寸法確認の徹底は当然のこと、わずかなひずみや軽微のキズも許さず、お客様が求める精度よりも、ワンランク上質の製品づくりを心掛けています。完成品は中国5県の機械メーカーなどを中心に納めており、時には、新しい機械の設計から関わり、最適な素材を提案することもあります。また最近では、金属表札や庭に置く鉄製オブジェのような、工業製品以外の個人的な依頼も増えました。


…自分の作るものに誇りを
 高卒で鳶職に就いていた私は、転落事故で左足に障害が残り、20歳のときに金属加工の職人として生きる道を選びました。独立直前まで勤めていた会社は、小さいながらもちょうど成長期に入り、私は自社製品も自分の腕も認められて順風満帆な日々を過ごしていました。そんな時、次男が病いが原因で脳に障害が残ってしまい、夫婦交代で付きっ切りの介護生活が始まったのです。妻の負担を考えると、勤め続けることは非常に難しく、悩みに悩んだ末、自分たちで会社を立ち上げることにしました。

 内心、何とかなると思っていた甘い考えは、すぐに打ち砕かれました。営業に回っても門前払いで話すら聞いてもらえません。それでも私は家族を守るため、従業員の給料や借金を払うため、毎日へとへとになるまで営業回りを繰り返しました。

 そのうち、何度も断られていた会社から、仕事をいただけるようになり、それが嬉しくて、小さな仕事でも全力で対応しました。そうした積み重ねでお客様を紹介していただけるようになり、3年目にようやく赤字幅が減少、4年目に何とか軌道に乗ることができました。

 「自分の作るものにプライドを持て」。これは、育ててくれた社長の考え方で、現在の私の軸となっています。仕事は見て学べ、という厳しい職人気質の人でしたが、複雑な機械を使いこなして自分が納得のいく製品を作る面白さを教えてくれた、大切な人です。恩を返すつもりで、今後も丁寧なものづくりを貫きたいです。


…ハンドメイドもサポート
 金属以外の加工にも興味を持ち、昨秋、木材、ガラス、大理石、コルクなどへの彫刻や切り取りが自在にできる、最新のレーザー加工機を導入しました。新規事業を開拓するためでもあります。レーザーの加工面積は1㎝以下から約1m四方までと幅広く、ピアスのパーツのような小さなものを成形したり、ガラスやスマホなどに好きな写真や文字を彫り込んだりもできます。企業間取引が主だった金属加工と比べ、こちらは個人の作りたいものにも協力できます。ハンドメイドを楽しむ主婦の方と、レーザーの当たり具合を確認しながら彫り込む深さを調節するなど、作り手の感性を反映できるため、大変喜ばれています。私としても、思いもしなかったものが商品になることを学び、想像力・創造力ともに掻き立てられています。

 こんな風に、個人に役立つ部品を作るのも、企業や工場などでロボットや精密機械の部品を作るのも我々です。この仕事がいかに、多くの人の不可能を可能にするものであるか。それを忘れず、今後も堅実な仕事を積み上げていきたいです。



異業種リレーの『わ』

◎この記事を書いたのは