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異業種リレーの『わ』

特集・読み物


2020.1.8

異業種リレーの「わ」No.675 株式会社 彩風 代表取締役 久本 浩志さん

今回は、「有限会社スリーホープ」代表取締役、山本 和志さんのご紹介により、「株式会社 彩風(福山市神辺町徳田430-7 TEL:084-979-9274 )」代表取締役、久本 浩志さんに登場願いました。


お客様の願いと自然の摂理を庭に描く

 

…職人になるまで
 弊社では和風庭園や洋風庭園をはじめ、車庫や門などの外構工事や庭の管理など幅広く請け負っていますが、私が好きなのは、日本庭園のノウハウを現代的に表現した「モダン和風」の庭です。近年は駐車場やBBQスペースを確保した「使う庭」が主流で、庭自体も狭くなりました。枯山水や回遊式庭園を造る機会はまれですが、現代の住宅の限られたスペースで趣向を凝らし、今ある材料で古式ゆかしい趣を再現することを得意としています。

 もともとは海外でライフセーバーをしていて、帰国後、徳島のキャンプ場に勤務。経営不振により帰郷した23歳の時、造園会社に勤める父に促されアルバイトをしたことが、この仕事を始めたきっかけです。最初の頃、なかなか本腰が入らない私に性根を入れてくれたのは父の一言でした。「1円でももらえばプロだぞ」と。その言葉がハンマーで頭を殴られたくらい衝撃的で、以来、目に入るもの全てを造園に関連付けて考えるようになり、植物関連の本も読みあさり、一級造園技能士などの国家資格も取得しました。

 独立は36歳になった2013年。四季の風を彩るという意味を込め「庭処 彩風」の名でやってきましたが、昨年8月に法人化しました。今でこそ指名をいただけるまでになりましたが、軽トラ1台で取引先ゼロから始めたため、建設業への挨拶回りなど地道な営業は苦労の連続。仕事がなくて、雇い始めた社員に掃除ばかりさせた時期もありました。ただそのおかげで、今大切にしている縁は3年後、5年後に繋がるということを学びました。


…理を忘れず
 庭造りをするとき、お客様には一旦予算も広さも忘れて、想いの丈を話していただくことから始めます。お客様の家族構成や趣味など庭に関係ないことも伺いながら、本当に造りたい庭を読み取り、視界に入る景色や使い勝手など、その場でなければとつかめない情報を落とし込んだラフを現場で描き、事務所に帰って図面化します。

 基本的に既製品には頼らず、フェンスや造形壁、照明などは手作りします。そのほうが独自性が生まれ、価格も抑えられるからです。樹木や石など自然のものは、ありのままを活かしつつ、その中でお客様の求めるものをどう表現するかを考えます。そして、小石一つひとつにある「気勢」を読むなどして、素材の意義や自然の摂理を心得た上で設計していきます。植物は生きていますから、庭は売って終わりというわけにはいきません。我々にとっては赤ちゃんを託し、お客様と一緒に育てていくようなもの。とりわけ、和風庭園を手掛けるときは、6年後の庭が美しく育っていることを想像しながら施工しています。

 経験を重ねれば重ねるほど、自然には絶対に勝てないと感じます。山や川や渓谷は完璧な教科書で、一生勉強してもし尽くせない奥深さがあります。


…20年目の初挑戦
 昨今は日本庭園を造れる職人が劇的に減少し、築山があるような純和風の庭は求められなくなりました。しかし、知識と技術は継承していかなくてはいけません。そんなことを考えていた折、全国都市緑化フェアが、今年は「ひろしまはなのわ2020」の名で広島県内23市町で3月から展開されることを知りました。私は主会場の旧市民球場跡地で開かれる、職人たちが緑のアートを披露するコンテストに思い切って申し込みました。今はまだ詳しく言えませんが、得意な「モダン和風」の庭を、竹や鉄などを取り入れて造る予定でいます。

 施主さんのいない庭造りは初めてで自分の想いが形になる怖さはありますが、この挑戦が社員の自信に繋がればと願っています。最近は、自分の経歴を生かした別事業の立ち上げについても考えるようになりました。様々な経験を通して成長し続け、弊社の基盤を強くしていきたいです。



異業種リレーの『わ』

◎この記事を書いたのは