特集・読み物
2019.11.13
あなたの学区のお宝を2つ教えてください!【泉公民館】
泉公民館の中村みさ男館長にお話を伺いました。

1つ目の宝は、郷分・山手の農業用水系です

郷分町にある石原隧道は水のトンネルです。
郷分草木で2つに分かれ、1つは久松用水としてサイフォンを経て芦田川の川底をくぐり、本庄町から奈良津町、蔵王町、深津町、手城町など東部方面へ。多治米町、川口町などへも送っています。もう1つは葦陽用水として郷分、山手町を経て佐波町、神島町へ送られ、やがて新涯町、曙町まで流れていきます。
このように、福山南部の水田の大半を両水系が潤しています。近年、水田は減ってきましたが、まだまだ大切な用水として活躍してくれるでしょう。

実は、この中には阿弥陀如来像が安置されているのです。もともとは地域のお寺「永久庵」(えくあん)の本尊でしたが、寺を継ぐ者がおらず、廃寺になった1930年代に旧草木集会所に移されたそうです。
新しい会館が完成し、引っ越しに合わせて、傷んでいた箇所が修復され、色もきれいに塗り替えられました。

阿弥陀さまの隣に、憲司さんの遺影も安置されています。郷分町には7歳のときに数ヶ月暮らしていたそうで、新しい草木会館ができて阿弥陀さまが移されたときには憲司さんも祝ってくれました。
こうしたエピソードも含め、この阿弥陀如来像はかけがえのないお宝です。先人たちが地域の中で大事に祀ってきた阿弥陀さまを、我々がちゃんと受け継いでいきたいと思います。
ちなみに、郷分町には青ケ城という山城があり、その麓に永久庵跡が残っています。興味のある方は訪ねてみてください。
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