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トラブルを防ぐ相続AtoZ

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2019.3.13

【第22回】相続人でなくても報われる?ここに注意


 「本当にいつもいつもありがとう。ユキちゃんだけが心の支えだよ」

 稲葉弓子さん(仮名)は目を潤ませながら、いつものように病室を訪れた村上由希子さん(仮名)の手を握りしめました。

「何言ってるの伯母さん、私は当たり前のことをやってるだけじゃない。だって、お従兄さんたち誰も知らんぷりだし…」

「財産もみんなユキちゃんにあげたいぐらいだよ。どうせもうあと少しの命なんだし、あの子らに渡るぐらいなら…」

「やめてよ、そんな…」

 やせ細った弓子さんの手を握り返す由希子さんも、両眼には涙があふれています。十年以上音信不通の息子たちに代わって姪の由希子さんだけがただ一人、献身的に弓子さんの身の回りの世話を焼き続けてきました。

 由希子さんは弓子さんの直系の親族ではないため、基本的に相続人としての権利はありません。配偶者・親子・きょうだい以外でも遺産を受け取ることはできます(この場合「遺贈」と言います)が、相続人と違って最低限の遺産の取り分(遺留分)を求める権利はありませんし、逆に相続人の同意なしに遺留分を奪ってまで遺産を受け取ることはできません。

「だって、あまりに理不尽じゃないか。あの子らがあんたにビタ一文譲るわけなかろう。息子というだけでみんな持っていくのは目に見えとる」

 ここで平成三〇年の民法改正によって、被相続人に対し「無償で療養看護その他の労務の提供をした」ことにより特別の寄与をした親族には、寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の請求権が認められるようになりました。仮に弓子さんの息子さん達との間で支払額の折り合いがつかなかったり、支払そのものを拒んだりした場合、家庭裁判所に処分を請求することもできます。ちなみに民法上の親族とは、①六親等内の血族
②配偶者③三親等内の姻族であり(図参照)、姪である由希子さんはこの要件に合致します。

 特別寄与料の支払いを巡って争いになりそうな場合、証拠として看護の日時を出来るだけ詳細に記録しておくと良いでしょう。また、家庭裁判所に申し立てができるのは相続を知ってから半年、もしくは被相続人の死亡から一年までですので、こちらもご注意ください。



民法における「親族」の範囲

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◎この記事を書いたのは

岡田章宏公認会計士事務所
セカンドエース税理士法人
岡田 章宏 先生
TEL:084-921-8531
福山市霞町4丁目-4-13