ぷれこweb
ぷれこサイト内検索!
Loading

Prekoトップページ > 異業種リレーの『わ』 > 異業種リレーの「わ」No.644 有限会社弓戸人形 代表取締役 弓戸 朝一さん
異業種リレーの『わ』

特集・読み物


2019.2.20

異業種リレーの「わ」No.644 有限会社弓戸人形 代表取締役 弓戸 朝一さん

今回は自転車のプロレーサー、宮口直之さんのご紹介により、「有限会社弓戸人形」(福山市新市町常133-3 TEL:0847-52-3932 )の代表取締役、弓戸朝一さんにご登場いただきました。

 

節句文化を守り、世界へ伝える人形屋に

 

…人形ケース屋から人形屋へ

 桃の節句が近づくこの季節、新市町にある弊社の展示場には、お子さんやお孫さんの幸せを願って、県内外から多くの方が雛人形を買いに来られます。七段飾りからケース飾りまでサイズは様々、親王飾りや立雛、木目込雛など種類も豊富に常時100セットほど揃えています。好みの人形に合わせて飾台や屏風、道具まで選べるので、皆さん2~3時間は滞在されています。

 広島県で節句人形といえば〝弓戸〟だと、ようやく思っていただけるようになったのは、ここ2~3年のことです。2005年に「弓戸人形」の名で法人化するまで、1971年から30年以上、弊社は「弓戸人形ケース製作所」の看板を背負っていました。

 創業したのは、木工のまち府中市で人形ケース屋に勤めていた父です。自宅横に工場を構え、当時流行っていたフランス人形や日本人形などの、ケースの木枠の塗装や組立てをしていました。ですから、小学生の頃から私の家の手伝いといえば荷造りでした。成長するにつれ、枠の組立てやガラスのカットも任されるようになり、高校卒業後は人手不足だったこともあって、双子の弟とともに入社。製造はもちろん、中四国の人形屋にケースの売り込みもしました。後に3つ下の弟も加わり、完全に家族経営となりました。

 しかし、ケースは運送時の破損が多く薄利だったうえ、バブル崩壊で需要が衰退。このままでは10年後が見通せないと考え、3兄弟で話し合って、細々と行なっていた人形販売業を主軸に変える決断をしたのです。同時にインターネット販売も始め、さらに2009年から毎年ビッグローズで展示販売会を開くなどして、人形屋としての認知度を高めてきました。


…高品質で求めやすく

 雛人形も五月人形も、私たちが製造元で直接目利きして仕入れています。雛選びには、やはり女性の感性が欠かせず、社員でもある妻の意見が大いに役立っています。全国で開催される展示会で業界の動向やトレンドを把握し、そのうえで顔、胴体、雪洞、屏風…とパーツごとに気に入ったものを買い付け、自社で組み合わせます。価格は抑えていますが、とりわけケース飾りは、自社でケースを作っている分、どこよりも安くできるのが強みです。

 オリジナル人形も企画しています。製造元にも長く商売してもらいたいので、閑散期に材料とデザイン案を持ち込み、デニム雛や押し花屏風などを作ってもらっています。2014年には、お客様の要望で作った「毛利兜飾り三本の矢」が外務省の目に止まり、安倍総理が訪問した6ケ国に手土産として贈られました。この辺りから海外からのインターネット発注が増え始め、現在兜のケース飾りは、年間100点近く海を渡っています。今後は、海外売上をもっと伸ばす仕組みも考えなければと思っています。


…節句文化を守りたい

 人形販売に力を入れて丸13年が過ぎ、2~3年前から弊社は、この業界における1店舗当たりの売上で、県内トップを走るようになりました。それでも決して安泰とは言えません。節句飾りは、生活様式の変化でリビングや玄関に飾る小規模のものが主流になり、少子化で飾り自体を買う家庭も減っています。そんな中で私たちにできること、私たちがしなければならないことは、節句文化を残す活動だと思うのです。

 これまでお客様に喜ばれてきた配送時の飾り付けや片付け方の説明など、扱い方を伝えることもそうですが、例えば、人形供養を自社イベントとして始めるなど、まだしていないことにも挑戦していきたいです。今の子どもが大きくなったときに、節句文化に何の親しみも持てなくなっていたら、私たちはもちろん、文化に携わる様々な業界が廃れてしまいますから。これからも、兄弟で知恵を出し合い、同じ方向を向いて励んでいきたいです。

異業種リレーの『わ』

◎この記事を書いたのは




忘新年会特集2018→2019