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異業種リレーの『わ』

特集・読み物


2019.1.25

異業種リレーの「わ」No.641 寺田株式会社 代表取締役社長 寺田 正人さん

今回は「株式会社三洋堂」の代表取締役、三好眞一朗さんのご紹介により、「寺田株式会社」(福山市南本庄1-2-17 TEL:084-925-1270)」の代表取締役社長、寺田正人さんにご登場いただきました。

 

信頼と機能美で働く人々を支える100年企業

 

…2022年に創業100周年

 弊社は2022年に創業100周年を迎えます。大正11年に曾祖父が、当時産業開拓で栄えていた北海道旭川に渡り、繊維の卸売商を開業したことが始まりです。戦時中は一時休業し、福山に戻って昭和26年に法人化。旭川で蓄えた財を活用し、作業服の製造販売を始め、防寒服やユニフォームといったワークウェアを専門に展開していきました。

 オリジナル製品は肉体労働者向け、それもメンズ限定で、ジャンパーやズボン、つなぎ(円管服)、防寒服などを、納入業者を介して全国のデパートや小売店で販売しています。時代とともに生地は丈夫で軽いものに変わりましたが、デザインは祖父の時代のものを踏襲しています。流行を追いかける一般衣料と違い、ワークウェアは労働者が動きやすく、怪我から身を守れて、さらにファスナーなどの金具で商品を傷つけることのないものでなくてはいけません。弊社の製品は理に適った機能美を確立しており、1世紀近くハードな肉体労働を支えてきました。今も売上の半数以上を、この事業が占めています。

 縫製については、生地の裁断は自社で行ない、協力企業の工場で加工したものを再び自社に戻して仕上げ加工をしています。かつては自家縫製でしたが、備後絣を礎に発展した地場産業のネットワークを活用して外注を始め、全国各地の縫製工場に依頼することで、〝小ロット・短サイクル〟の柔軟性が高い生産力を強みとしてきました。2000年頃から中国の工場も頼っていますが、プレスなど検品を兼ねた最終工程は必ず自社で行なっています。


…少数精鋭、マルチに動く

 自社製品とは別に、依頼を受けて作る別注商品や、他社ブランドの製品を作るOEM商品も請け負っています。アパレル業界の大量生産で価格競争が激しくなった頃、新たな柱となるように父が始めました。こちらは官公庁と取り引きする業者への納入が多く、今も市役所職員や消防士、警察官の制服などを製造しています。

 私は、この事業が立ち上がる少し前の平成6年に大学を卒業し、入社しました。出荷業務を通して自社製品の知識やノウハウを身につけ、営業担当となりました。さらにミシンの扱い方も覚え、ボタン付けや裁断などの縫製業務にも携わるようになりました。代表取締役に就いたのは、父が逝去した2013年です。現在、従業員は4人。少数精鋭の頼れる仲間とともに、私自身もマルチに動いて、国内外の工場を取りまとめています。


…信頼を武器に挑戦

 長くこの業界を続けられた一番の強みは、石橋を叩いても渡らないほどの堅実さ。これに尽きると思います。開拓精神旺盛な初代が起業し、2代目以降は慎重にまじめにコツコツとお客様の信頼を得てきました。「物を売るな、人柄を売ってこい」。これは祖父から父へ、父から私へと受け継がれた社訓のようなものです。それを意識して、お客様には常に誠実な対応をしてきました。信頼していただける基盤を築いた先代たちに感謝しています。

 昨今、衣料品全般の景気が落ち込む中、ワークウェアは比較的安定しています。しかし、人口減少に伴って作業服や制服を着る企業も減ってきているので、先は明るいとは言えません。これからは今以上にユーザーにとことん寄り添った、付加価値の高い製品づくりが求められていくでしょう。私自身、正式に跡を継いで以降、祖父の時代のものに頼らず、新しいデザインを企画していかなくてはという想いが強くなりました。それを実現する時は、作り手に「縫うのが楽しい」と思ってもらえるようなウェアを考えたいです。AIの時代になっても、人の手が無ければ縫製業は成り立ちません。だからこそ、私自身がもう一踏ん張りし、次世代に引き継げるよう新たな魅力を開拓していきたいです。

異業種リレーの『わ』

◎この記事を書いたのは




ビューティーサロン2019