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異業種リレーの『わ』

特集・読み物


2018.9.7

異業種リレーの「わ」No.627 株式会社青陽社 取締役 森下 順平さん

今回は「甲斐建設株式会社」の甲斐淳芳さんのご紹介により、「株式会社青陽社」(福山市道三町11-9  TEL:084-922-0645 )」の取締役、森下順平さんにご登場いただきました。

 

製本技術を活かして「建築図面」を守るお手伝いを

 

…建築図面製本のプロ

 青陽社は、今年創業61年目の製本会社で、祖父・博の創業以来、建設現場で使われる図面の製本を手掛けています。マンション、一般住宅、工場といった建築物の平面図や立面図、電気・ガス設備図などの製図データを預かって1冊にまとめ、依頼者である工務店やハウスメーカーなどの建設会社に納めています。

 今でこそ図面のコピーは手軽にできますが、コピー機がなかった時代は、トレーシングペーパーに手で書き写し、それをアンモニア液で感光材に転写して「青焼き機」という複写機を使って紙に印刷していました。図面は青色の濃淡で仕上がります。手間も時間も掛かりますが、青焼きを好むお客様もあり、弊社では原料の販売が終わった3年前まで青焼き印刷も請け負っていました。社名は、この昔ながらの製本方法にちなんでいます。

 建築図面のサイズは、見開きA3判が主流で、ほとんどが1点物です。最も一般的な製本方法は、見開きを180度フラットにできる「観音製本」と呼ばれるもの。中央に綴じしろは作らず、図面の裏面を半面ずつ糊で貼り合わせていく独特の方法です。弊社では社長を含め4人で、1ページずつ丁寧に、図面にしわができないように、完全に手作業で貼り合わせています。


…祖父の教えを宝に

 私は、青焼き機とコピー機の両方を知ることができてよかったと思っています。昔の手書きの図面は簡単には書き直せません。そのため、印刷する我々の緊張感も並大抵のものではありませんでした。データで入稿される今でも、その想いを忘れず、製本の仕事に誇りを持って取り組んでいます。

 約30年前は、市内に建築図面の製本会社は10社ほどありましたが、現在残っているのは2社のみ。地域に根付いた製本会社といえるのは弊社だけです。これも、祖父や父が地元の建設会社に折に触れては挨拶しに行き、顔つなぎをしてきた成果だと思います。私自身も営業回りをしていると、「お宅にしか頼まないから、そんなに挨拶に来なくても大丈夫だよ」と言われることがありますが、それでもやはり会いに伺います。

 「人に好かれる人間になれ」。これは祖父の教えで、常に私の心の中にあります。この言葉を宝に、これからも地域に愛され、信頼される企業でいられるよう努力して参ります。


…「作る」から「守る」へ

 2012年、父が何年も温めていた図面保管事業を本格的に始めるため、大判製本されている図面でも余裕で読み取れる特大サイズのスキャニング機を導入しました。解像度も一般のコピー機の倍あって、薄く細かい文字でもクリアに読み取ることができます。

 建築図面は、建築に携わる企業の知的財産ともいえる貴重なもの。何十年か後にリフォームするときでも、図面があれば現場作業もスムーズになります。それもあって、図面を全て社内で保管する会社が多いです。しかし、経年劣化でボロボロになることもあり、さらに、この夏の豪雨のような大災害が起きて水に浸ってしまえば、もう元には戻せません。ところがこれをデータ化すれば、コンパクトに保管できますし、有事に備えることもできます。

 いざ始めてみると、途切れることなく依頼が入り、何万点にものぼる資料を任せてくださる企業もあります。貴重な図面の扱いに慣れている弊社だからこそ頼っていただけるのだと、有り難く思っています。同時に、情報の取り扱いには細心の注意を払っています。

 大きな図面のデータ化は、建築業に限らず家族の思い出づくりにも活用できます。子どもたちの絵画や書などをきれいな状態で残す、メモリアルサービスもはじめました。今後もこうした事業を拡大して地域に貢献できるよう、より一層環境を整えていくつもりです。

異業種リレーの『わ』

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