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特集・読み物


2018.8.8

静かに踊る二上りおどりに陶酔して【福山市古典芸能保存会】



福山市古典芸能保存会
会長
星野 由幸 さん(88)


個性に任せ、揃わないのがいい
 福山市古典芸能保存会の会長・星野さんは、広島県無形民俗文化財にも指定されている福山の伝統芸能「二上りおどり」の名手。腰を落としているが無理がなく、正調二上がりにあわせて、ゆったりと流れるような所作で「70年以上慣れ親しみ、そう疲れることもない」という。
 二上りの始まりは江戸中期頃、お盆の仏様の供養で、三味線を弾きながら流し、音につられて踊り出すような踊りだったとされる。「だからラジオ体操みたいにきちっとは揃わない。基本の足運びができれば、個性任せ。それがいいんですよ」。
 


17歳から二上りに陶酔して
 星野さんが初めて踊ったのは17歳の夏。戦争で途絶えていた二上りが商店街に復活した昭和23年のことだ。「母が〝踊ってみたら〟と言うので、知り合いに四つ竹を借りて、一番後ろをついて行きました。いい汗をかけたからでしょうか。やみつきになりました」。当時は、年に一度の本番。三日三晩踊ったが、それでも物足りないと船町青年団で鞆へ踊りに行ったとか。仙酔島の上に月が上がり、静かな町に三味線の音が響くなかで踊る場面が忘れられない。「気持ち良かった。完全に陶酔しました」と振り返った。
 その後、郷土芸能保存会を母体に昭和55年、正調二上がりおどりと、正調とんど音頭の伝承活動を行なう福山市古典芸能保存会を立ち上げた。福山夏まつりをはじめ、各地で仲間と踊り、歌い、南小学校や福山市立大学にも毎年指導に赴く。昨年は、こうした長年の功労が認められ、星野さんは福山市から「文化賞」を受賞した。



二上りが元気の秘訣
 今年の福山夏まつりで、同保存会は通算50回目の出場を数える。特に今回は築城400年を4年後に控え、福山城天守前広場も会場となる。「福山を造った当時の、先祖の気持ちになって踊りたい」。そう話す星野さんは、紀伊國屋結納店の18代目。2代目が城主・水野勝成公から築城の材木調達と石垣造りを任されたと伝わっており、思い入れも人一倍熱いのだそうだ。訪れる人に対しては、「福山城会場には、街中では味わえない、しんみりとした本来の二上りがあるはず。それが良かったなーと思ってもらえたら」と想い描く。
 「元気と長生きの秘訣は、二上りおどり」と、自他ともに認める88歳。今年の夏まつりも四つ竹を鳴らし、独特の音色に乗って足を運ぶ。



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福山市古典芸能保存会
【事務局】福山市笠岡町1-20 紀伊國屋内    TEL:084-923-0300

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